<インタビュー編>聴いている人がハッピーになってほしい

2004.05.11 10:46

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--日本語と英語のバイリンガルですが、普段考えてるのはどちらの言葉で?

melody.:ハワイで生まれ育って19歳の時に日本に来たんですけど、やっぱり英語の方が得意。
このごろは日本語で考えることもあるけど、夢とかは英語で見ますね。でも仕事の夢は日本語で見ます。
やっと日本人になってきたのかな(笑)。言葉もあまり考えなくても喋られるようになってきたので、
楽になってきました。もう日本に来てから2年半が経ちますからね。最初は単語もあまり知らなかったし、
英語で考えてそれを翻訳して話してるというような状態でした。

--ハワイにいる頃はどんな音楽を聴いて暮らしてたんですか?

melody.:母親がシンガーで、小さいころは日本の童謡とかを唄ってくれてたし、
カーペンターズやビートルズも普通に聴いていました。あと、ピアノとクラシックバレエをやってたので、
家の中にはいつもクラシック音楽が流れてた。あとは普通に日本のポップスやアメリカのトップ40も聴いていました。
すごく幅広く色々なものを聴いてたかもしれない。

--その中で特に気に入って集中的に聴いてたものは?

melody.:一番好きなのはセリーヌ・ディオン。声と感情表現がすごく好き。
初めて彼女の曲を聴いたのは「Beauty and the Beast」で、アルバムは『Falling Into You』。
中学1年生のときだったかな、1曲ごとに声が全然違う風に聞えてすごく感激して、そのアルバムをずっと練習してました。
あとはマライア・キャリーやTLCも好きだったし、高校に入ってからはデスティニー・チャイルドなんかが好きになりました。
すごい普通かもしれない(笑)。

--歌手になりたいと思ったのは、家庭環境的にも自然なことだったのかな。

melody.:そうですね。ごく自然に4歳くらいの時に歌手になりたいと思ったし、
歌手になるために色々なレッスンをしなければならないと思って、8歳の時にピアノを始めて、
その後にクラシックバレエ、そしてボイスレッスンも始めて、ジャズやヒップホップもやって、
すごく忙しかった。

--歌手になるための訓練として色々なレッスンをしたんですね。

melody.:自分の中で歌手になりたい気持ちがすごく強かったから。
8歳の時に初めてクラシックバレエを見て感激しちゃって、「私、これやりたい」って。
私、ステージに上がることが好きだから、パフォーマンスできるならバレエをやりたいなと。

--それからどういういきさつでプロの歌手に? それも日本で。

melody.:12歳くらいのときに母親に初めて「歌をやりたい」って言ったんです。
学校には行っている間もずっとパフォーマンスを続けていて、16歳のときにカラオケの大会で優勝しました。
それで“本気”なところを見せて。17歳のときに、翌年に高校も卒業になるんで、母親に「私、やっぱり歌手になりたい」
って言ったら、昔日本でバンドをやっていた父親に相談してくれたんです。そしたら父の知り合いのプロデューサーが
「やってみようか」と言ってくれて。

--今、それまでのレッスンが役立ったとか実になったと感じますか?

melody.:ありますね。バレエをやってた時の先生はすごく厳しい人で、いつもどなられっぱなし。
それに、バレエって見てると綺麗だけど、踊ってるとすごく痛いんです。特につま先は血だらけになるし爪も取れちゃう。
これで精神的に強くなったかな。ピアノも毎月一回発表会をしてたし。ステージに立つことが多かったから、
今の仕事に役立っていると思います。

--自分で作詞する時は英語?

melody.:英語の方がスラスラ出てくるんだけど、日本に来てからは日本語の詞を書くようになりました。
それがけっこうタイヘンだったかも。ハワイにいたころはピアノを弾きながら曲を作ってたりもしたから、
近い将来には作曲もしてみたいなっていう気持ちはあります。

--歌詞を作る時、日本語と英語では違いが出てくる?

melody.:表現の仕方が日本語と英語では全然違う。日本語は柔らくできます。
英語ってすごくダイレクトで、言いたいことがすぐわかるようなものが多いんです。
最初は、英語で書いてそれを日本語に直訳してたんだけど、そうすると全然かわいくないとかキツ過ぎると言われたんです。
なるほどと思って、それからは他の人たちの歌詞に注意するようになった。「日本人てこうやって書くんだ」って思いながら勉強して。
だから、まだまだ今でも勉強中だけど、最近では考え方も日本人ぽくなってきたかなって思います。

--どんな時に歌詞を書くんですか?

melody.:メロディが出てから詞を考えますね。メロディの流れとか曲のノリとか、
言葉なしで聴いて絵を思い浮かべて、それで浮かんだイメージに合わせて詞を書いていくんです。
部屋の中にいるよりは、ザワザワと人がいた方が集中できるんでファミレスとかでね。
だから、曲ができてないで詞だけを書くのって難しい。

--作詞する時に心がけてることって?

melody.:何かを訴えたり主張したりするんじゃなくて、
聴いている人がちょっとでもハッピーな気持ちになってくれればいいと思っています。
音楽って私にとっては人生のBGMってカンジで、いつも必ずあってほしいもの。詞をじっと聴いて何を言ってるんだろうっていうんじゃなくて、
聴いてて気持ちよくてノリがいいいかとか、そういうところで曲の好き嫌いを感じていました。
だから、私が書く詞も何かを訴えるというんじゃなくて、聴いてる人が明るい気分になってくれればいい。
たいがいアメリカの曲ってパーティで受けるものが多いから、あまり意味的には深くないかも(笑)。

--アルバム『Sincerely』で一番印象に残っている曲は?

melody.:個人的に一番好きなのは最後の曲の「Once Again」。韓国のパクさんっていう去年一番売れたプロデューサーがいて、
彼がずっと前にプロデュースしたアルバムがすごく好きだったの。すっとプライベートでも聴いてて、いつかこの人にプロデュースしてもらいたいと思っていました。
去年このアルバムを作っているときにギリギリで間に合って、その仕上がりを聴いた瞬間、これはアルバム最後の曲だと直感した。
それで詞を書いてたんだけど、どうしても英語で歌いたいと思って。このアルバムの中で私が書いた唯一の英語歌詞です。

--どういうところが良かったの?

melody.:どこの国の人が作ったか分からないようなカンジ。メロディとかはアメリカンなんだけど、
他の部分はアジアンのポップさがあるなと思ったり、誰が聴いても幅広く受け入れられるような曲だと思いました。
アメリカの友達に聴かせても“この曲が一番好き”って言ってくれるし。アジアンとアメリカンの良さを本当にうまくミックスした曲だなと思った。
自分の中にはその両方があるから、ナチュラルに気持ち良いのかなと思う。

--DVDが5月12日に発売になりますが、ここに入っているPVで思い出に残っているエピソードなどありますか?

melody.:一つ一つに全部思い出があって全てが新鮮だった。「Dreamin’ Away」はロスのスタジオでセットを組んで撮ったんだけど、
ニューヨークの街を歩いているように見える。それでキョーレツな個性の振り付け師に、モダンなエッセンスの振り付けをつけてもらった。
「Simple As That」はダンスをしたいよねってことで曲もノリのいいのにしたんです。バックダンサーがジャネット・ジャクソンとツアーしてたとかいう人ばかりで、
そんな人たちと一緒に踊っているというのが最初は信じられなかったけど、楽しかったし良い勉強になった。「Crystal Love」は日本で撮影したもので、
背景がドンドン変わったりする不思議なビデオですね。楽しかったな。「Sincerely」はとにかく寒かった。
こうやってDVDにまとまると、デビューしてからの1年間が見れるので、自分が見てても楽しいし、いろいろなことを思い出します。

--これからも、自分の音楽をどう聴いてもらいたい?

melody.:幅広く多くの人にハッピーな気分になってもらいたいな。アメリカでもデビューしたいし。

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