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1975年、ニューヨークからパンクムーブメントが起こり、その象徴としてセックス・ピストルズと並び称されてきたザ・クラッシュは、1976年にマネージャーのバーニー・ローズの手によってLondon SSのメンバーだったミック・ジョーンズとポール・シムノン、101ersのジョー・ストラマーを中心に結成された。1976年4月にシングル「白い暴動」でレコードデビューを果たし、1986年1月の解散まで6枚のオリジナルアルバムを残した。

彼らの政治色の強いメッセージはイギリスの労働者階級を中心に強い衝撃を与え、まもなくアメリカにも波及し、5枚目の『COMBAT ROCK』はアメリカにおいてもミリオン・セラーを記録するに至った。一般的にザ・クラッシュの音楽性はガレージ・ロックの印象の強いものとして受け入れられている。しかし、意外にも彼らの音楽的側面にはレゲエ、ダブ(後に中南米音楽まで)に影響された部分が多く見受けられ、現実に「コンプリート・コントロール」ではリー・ペリーと、『サンディニスタ』ではマイキー・ドレッドといった、その世界の第一人者とのコラボレーションを行なっている。また1983年に脱退した中心人物のひとり、ミック・ジョーンズは脱退後もBig Audio Dynamiteを結成し、ダブを取り入れた新しい領域に挑戦している。

パンクロックという強烈なイメージから、そのメッセージ性とファッションのみが既成概念として捉えられがちなザ・クラッシュだが、実は音楽的なバックグラウンドやアートワークのセンスなど、きわめてスタイリッシュな部分を持つバンドであり、またそれを腐らせることなく消えていったバンドであったといえるだろう。