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Doorsはたった6枚のスタジオ・アルバムを出しただけで、その名が以後数10年も語り継がれているバンドだ。シンガーのJim Morrisonが''71年7月3日に死去していることを知らない人もいるのではないか。なにしろDoorsの輝かしい成功は''80年代になってのことなのだ。

Morrisonの伝記『No One Here Gets Out Alive』が出版され、レコード・レーベルが精力的にDoorsを新しい世代にアピールした結果だ。さらに''90年代になってOliver Stone監督による映画があれほどの観客を動員したことを考えると、やはりDoorsは最初から人を惹きつけるバンドだったといえる。

メンバーはカリスマ的シンガーで詩人のJim Morrison、ギターのRobbie Krieger、キーボードのRay Manzarek、ドラムのJohn Densmore。Morrisonの常軌を逸した行動がDoorsの人気を高めたのは事実だが、彼の自己中心的で時に子供じみた振舞いだけが注目の的となっているのは残念である。Doorsの驚くべき存在感は、バンドが一体となった素晴らしいプレイがあってこそだからだ。

Doorsのfirst albumは、リリース前年の''66年にWhisky-A-Go-Goで行なわれたライヴセットとほとんど同じ内容で、“Break On Through (To The Other Side)”“Soul Kitchen”、ファースト・ヒットとなった “Light My Fire”、それにセットのエンディングだったエディプス・コンプレックスの歌“The End”など、彼らの代表曲が入っている。

これらの曲からわかるように、Doorsは明らかに他のバンドと一味違っていた。Morrisonの歌詞は詩的というよりはぎこちなく、その空想的内容はほとんど笑えるほど。だが、この道化を進んで演じる態度こそ、彼らのレコードがリリース当時だけでなく今なおリスナーを楽しませてくれる秘訣なのだ。その後もDoorsはキャッチーなシングルを立て続けに出し、AMラジオ局で流れるティーン向けバンドと同じレベルで競っていた(“Love Me Two Times“”Hello, I Love You")。

一方アルバムではまじめな曲を取り上げている。3rdアルバムにはステージで人気の“The Celebration Of The Lizard”を収録したが、ソールドアウトの観客の前では効果的だったこの曲も、スタジオでは退屈な仕上がりになってしまった。“Not To Touch The Earth”はなんとかスタジオ版を上手く仕上げ、『Waiting For The Sun』のリリースに間に合わせた。ところが今度はマイアミで問題が持ち上がる。Morrisonがステージでいつも以上に酔っ払い、自分のイチモツを観客に見せたというのだ。Morrisonは他にも違法行為は犯していたが、この件では実刑の可能性があり、バンド解散の危機に立たされた。この最中にDoorsは『The Soft Parade』をリリースしたものの、このアルバムは一番影が薄い。ストリングスや木管楽器を加えたのは興味深い試みだったが、全体に彼らにしては今一つだった。

問題を抱える中、Doorsは最高のアルバム『Morrison Hotel』と『L.A. Woman』をリリースする。どちらもそれまでのものよりブルース寄りの作品だ。しかし、『L.A. Woman』のセッションが始まった頃、アルバムの内容が生彩に欠け、バンドに嫌な雰囲気があることを理由に、プロデューサーのPaul Rothchildが降りてしまう。Morrisonのヴォーカルは急速に質が落ちていたが、バンドのサウンドは絶好調。結果的にDoorsはこの時、“L.A. Woman” や “Riders On The Storm”など、彼らにとって最高のレコーディングを残す。

Morrisonはついに長年のアルコールとドラッグがたたり、パリで休養中、バスタブの中で死去。残されたメンバーは、その後2枚のアルバム『Other Voices』『Full Circle』をリリースするが、Doorsはすでに終わっていた。''78年に再結成し、一連のMorrison の詩とバンドのバック演奏を収めた『An American Prayer』をリリース。以来、グレイテスト・ヒットやライヴ版が繰り返し発表され、Doorsは数年ごとに新しいリスナーの注目を集めているようだ。ドラマーのJohn Densmoreの自伝「Riders On The Storm」を読むと、実物以上に巨大化された伝説的存在としての人生がどんなものか率直に描かれている。

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