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沈み込むように深く暗い、ダブレゲエのベースラインが激しく動き回る。そこに、ラップやジャズ、むせび泣くような女性の声、ヒップホップ、アフロリスティックスなどが混ざり合う。Soul II Soulのゆったりとした、しかしドライヴの効いたグルーヴは、イギリスのブリストルという街を、ポップミュージックの地図に名の残る街とした。

スマッシュヒットとなった1stアルバムは、“トリップホップ”(Massive Attack、Tricky、Portishead等)と言われるムーヴメントが登場する下地を作ったのみならず、Sinead O''ConnorやMadonna、Bjorkといったアーティストも取り入れるような、流行のサウンドプロダクションスタイルを作り上げたのだ。

Soul II Soulはバンドというよりは、Jazzie B(本名Beresford Romeo、''63年1月6日ロンドン生まれ)によって集められたミュージシャンの集合体だ。サウンドシステムDJとして働いていたJazzie Bは、ある時、Nellee Hooperと出会い、2人はSoul II Soulの名の下にレコードの制作を始める。

''89年のデビュー作『Keep On Movin''』からは、ストリングスをフィーチャーした同名のシングルがヒット(イギリスではアルバムのタイトルは『Club Classics Volume One』だった)。同じようになめらかな感触を持つ“Back To Life”の“Jazzieのグルーヴ”は、まるで天啓のようにグループの信条となった。

「幸せそうな表情、弾むようなベース、愛する人々のために」――それが彼らの信条だ。Nellee HooperとJazzie Bは共同でSinead O''Connorの“Nothing Compares 2 U”のプロデュースにあたり、この作品はNeneh CherryやMaxi Priest、Fine Young Cannibals等の作品と並んで大ヒットとなった。

そんな中で、Soul II Soulの数々の大ヒット曲でリードヴォーカルを務めていたCaron Wheelerがソロに転向。2ndアルバム『Voluem II 1990-A New Decade』にも、“Get A Life”や“Missing You”(ヴォーカルはKym Mazelle)、“A Dream A Dream”(ヴォーカルはVictoria Wilson-James)といった数々の優れた曲が収録されていたにも関わらず、売り上げは思わしくなかった。Nellee Hooperもグループを離れ、BjorkやMadonnaのアルバムで優れたプロデュース手腕を発揮することに専念するようになる。

Soul II Soulの3rdアルバム『Volume III Just Righ』では、Caron Wheelerが復帰したものの、登場する部分は少なかった。Jazzie Bはメンバーの顔ぶれを一新し、『Volume V-Believe』をリリースしている。(『Volume IV』はシングルのコンピレーションで、イギリスのみでリリースされた)