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92年にArrested Developmentがすさまじい早さでスターになると、SpeechはArrested Developmentの頭脳としてヒップホップにモラルを持ち込んだ。Arrested Developmentの2作目のスタジオアルバムが失敗し、頂点を極める前にバンドが内側から崩壊した後も、彼はソロとして活動を続け、バンド時代と同じグルーヴを発し続けている。しかし、今のところ与えているインパクトは思いのほか小さい。

''68年10月25日、ミルウォーキーでTodd Thomasとして生まれた彼は、''80年代後半から''90年代前半にアトランタで、ラッパーとして、そしてDJとして腕を磨き、Speechと名乗るようになった。家族や友達などを集めて一種の共同体のような、束縛の少ないグループを作り上げ、それがArrested Developmentとなっていた。

''92年にリリースされ、チャートのトップ10入りするヒットとなったアルバム『3 Years, 5 Months, And 2 Days In The Life Of...』からヒットした、“Tennessee”や“Everyday People”といった曲は、ラップの主流派を占める暴力的で快楽主義的な内容とは一線を画していた。ファンキーなビートを失うことなく、家族の価値を説き、人道的な理想を歌うその内容は、親しみやすい、もう1つのヒップホップを示していた。

しかし、Arrested Developmentの2ndアルバム、『Zingalamaduni』は、誰かにその魂を抜き取られてしまったらしい。説教じみたところが音楽そのものを圧倒してしまったのだ。だが、''96年にリリースされたSpeechのソロデビュー作『Speech』では、初期のArrested Developmentに見られたようなバランス感覚が戻ってきていた。正義心にあふれながらも軽快な“Ghetto Sex”や、“Ask Somebody Who Ain''t(If U Think The System''s Workin''...)”といった曲は、このアルバムのハイライトとなっていた。さらに、彼はこのアルバムの中で、Princeと違って耳に心地よい裏声まで披露。また、偉大なる故Marvin Gayeに捧げた曲“Like Marvin Gaye Said(What''s Going On)”も収録していた。

若く、創造力あふれる彼がシーンからあっという間に消えるはずはない。Speechは、彼のソロアルバムを受け止めた観客の数以上の評価を受けるにふさわしいはずだ。モラルのないラップが若者達を駄目にしているという非難はいつまでも続くのに、その一方で優れた声の存在が無視されているというのは、なんとも皮肉な話である。

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