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 Donna Summerこそ、まちがいなく究極のディスコ・クィーンである。これはポップ・ミュージック史上不動の地位を築いたという意味ではプラスだが、マイナス面として今では過去のシンボルとなってしまったことは否めない。ディスコ以外にもいろいろなプロジェクトを出したものの、絶頂期の輝かしい人気におぼつかないのは、このイメージのせいなのではないか。

 Donna Gainesは''48年12月31日、マサチューセッツ州ドーチェスター生まれ。子供の頃から教会の合唱団で歌っていた彼女は、''67年、ボストンのPsychedelic Supermarketでポップ・シンガーとしてデビューした。まもなく『Hair』の公演でヨーロッパへ渡り、''71年、オーストリアでHelmut Sommerと結婚。その苗字を多少変えてSummerとする。''73年、プロデューサーのGiorgio Moroderとの出会いが運命を変える。まずヨーロッパでヒットを飛ばし、''75年、米国でも“Love To Love You Baby”が1stヒットとなる。ディスコ・ダンスのクラシックといわれる17分の曲で、Summerはオーガズムたっぷりにあえいでみせた。
 たちまち人気者となり、''78年から''80年にかけ、全米トップ10ヒットを8曲出すが、ディスコが下火になると彼女の成功も下降線をたどることとなる。その後信仰に目覚め、熱心なキリスト教徒となり、“The Wanderer” (''80年) をヒットさせ、宗教色を抑えた “She Works Hard For The Money”(''83年)もヒットしたが、以後ぱっとせず、''89年にようやく“This Time I Know It''s For Real”がチャートに顔を出した。

 Summerには今でも熱狂的ファンがいる。けれどもディスコというジャンルにイメージを縛られ、シンガーとしての実力を正当に評価されていない。彼女自身はディスコをすでに卒業し、最近のレコーディングではカントリーを取り入れた独自のスタイルを成功させている。当たり前だが、Summerは単なる一時の流行でなく、一流のシンガーなのだ。