ニュース・最新情報

プロフィール・バイオグラフィ・リンク

平凡なメロディに月並みな歌詞。そんな曲がちまたに氾濫する一方で、ダブルミーニングの言葉を巧みに操り、ニヤリとさせるようなウィットを持っていれば十分に活躍できる。それがオルタナティヴポップの世界だ。They Might Be Giantsはこのジャンルのキングとして不動の地位を保っているが、その後継者となるに違いないと見られているのが、カナダのポップスター、Barenaked Ladiesである。

すべての始まりは、リードシンガーのSteven PageとギタリストのEd Robertsonが育ったトロント郊外の町、スカーボロー。2人はお互いを子供の頃から知ってはいたが、本格的に付き合い始めたのは'88年の夏、ミュージック・キャンプでカウンセラーとして働いたときだ。そして、地元で小さなギグを行なっていたこの2人組に目をとめたのが、キャンプで出会ったJimとAndrewのCreeggan兄弟。こうしてBarenaked Ladiesにベースとキーボードが加わり、最後にドラムのTyler Stewartが参加して'90年にグループのラインナップが完成した。

彼らは5曲入りのカセット『Barenaked Ladies』(ファンの間では『The Yellow Tape』として知られる)を録音。これがやがてカナダの音楽業界史上初めて、8万本以上を売ったインディペンデント作品となる。バンドはSireレーベルと契約すると、'92年にデビューアルバム『Gordon』をリリース。おふざけ満載のユーモアや、若者たちのポップカルチャーを綴った歌詞、アップビートのテンポといった彼らの特色は、すでにこのアルバムから始まっていた。'94年の2ndアルバム『Maybe You Should Drive』は、音楽的にも人間的にもより洗練された成長ぶり(いまだに妙な面白さはあるが)が歌詞にもサウンドにも反映されている。'95年、Andrew Creegganが学校に戻るためバンドを離れたが、翌'96年にはそのダメージを感じさせないアルバム『Born On A Pirate Ship』をリリース。彼ら独特の軽妙なおふざけスタイルを保ちながらも、より成熟したテーマを扱っている。

'98年にアルバム『Stant』を発表する頃には、商業的に大きくブレイクしてもおかしくない状況にはなっていた。しかし、この作品がBillboardアルバムチャートで初登場3位という驚くべき成績を残し、発売第1週だけで14万枚以上のセールスを上げ、その後何週もトップ10をキープし続けるとは、メンバー自身を含め、誰ひとり予想もしていなかった。'98年7月にボストンで行なわれたBarenaked Ladiesの店内イベント(実際には店外に場所を移したが)には、彼らのパフォーマンス目当てにおよそ8万人が押し寄せた。