イラナ、ロングインタビュー

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──馬頭琴で弾くのはどんな曲なんですか?クラシックの曲なども演奏するんですか?

イラナ:練習をする時は、西洋の曲はやらないですね。主にモンゴルの民謡などばかりです。というのは、馬頭琴では基本的に半音階は演奏しないんです。すべて全音階なんですね。あと西洋音楽でいうシンコペーションもないし、リズムも特に決まってないんです。曲はすべてフリーテンポということ。だから演奏する人によって全然違う曲になるんです。

──じゃ、今回のCDでリズムと一緒に演奏をするのは大変だったでしょ。

イラナ:すごく難しかったです。家でCDを繰り返し聴きながら何回も練習しました。あとメトロノームを使ってテンポをとる練習をしましたね。

──ソロで弾くのも気持ちよさそうですが、リズムに乗って弾くのはどうですか?

イラナ:リズムと一緒に演奏する方が楽しいです。今まではずっと民俗音楽ばかりだったから新鮮だし、今までやらなかったタイプの新しい曲を弾けた時はすごく嬉しい。でもすごく難しいですけど。

──「スーホの白い馬」は和音を使って弾くんですね。これは馬頭琴の一般的な奏法なんですか?

イラナ:馬頭琴の民間の弾き方としてはよくやる奏法です。開放弦を使って和音を弾くので、キーが違う曲では弦のチューニングを変えます。

──「涙そうそう」を情緒たっぷりに弾いていますが、この曲に対してどんな感想を持っていますか?

イラナ:行ったことはないんですが、私は沖縄が大好きなんです。沖縄の音楽がモンゴルのものとすごく近いような気がします。沖縄の民謡がモンゴルの民謡にすごく似てるんです。だからこの曲はぜひ演奏したいと思っていました。

──「赤とんぼ」は日本の昔の曲ですが、どうしてこの曲を選んだんですか?

イラナ:小学校の時の教科書に載っていたんです。その時は日本の曲だと知らなかったんですけどね。

──他に、日本の曲ではどんな曲を知っていましたか?

イラナ:これも教科書で「荒城の月」「ふるさと」。あと「川の流れのように」。

──「美麗的大草原」では歌も歌っていますね。とても儚くて良い声です。

イラナ:歌うことは好きです。前に学校の友達とバンドを組んでた時は、馬頭琴と歌を担当していたんです。他のメンバーはドラムとベースとサックス、それと楊琴ですね。

──「遥かなる想い」はモンゴルの伝統曲ですね。これはどういう曲なんですか?

イラナ:民間の伝承曲です。昔に馳せる思いを音で表わしたものです。

──今後は、馬頭琴でどういう音楽を表現したいですか?

イラナ:まだ馬頭琴って知られてない楽器なので、私がそれを演奏することによって、モンゴルの音楽を日本の人に知ってもらいたい。あと、ジャズをやりたいし、もっと歌も歌いたいです。


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