名取香り、スレンダーな身体から生まれるエネルギッシュな歌を伝える

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今年1月にシングル「Gentleman」でデビューした女性シンガー、名取香り。
エキゾチックな美貌とは裏腹に、東京の下町育ちだけあって人懐っこいキャラクターの持ち主。
3歳の頃からバレエを習い、日本はもちろん海外でも公演を重ねてきた実力者であり、
同時にモデルとしても活動。将来はプリマバレリーナになる夢を描いてた彼女が、
ある日トゥシューズを置いてマイクを手にする。その理由は?

フィルター・ハウスなダンス・チューンとなった2ndシングル「Player」にまつわる
エピソードとともにお楽しみください。

最新シングル


「Player」
UPCH-5313 \1,260(tax in)
2005年5月18日発売

01.Player
02.another truth
03.The sweetest taboo




PV映像


「Player」のPV映像を見るなら上の画像を


メッセージ・ビデオ

「メッセージビデオへ 名取香りからのメッセージを
どうぞ。上の画像を

■オフィシャルサイト
http://www.universal-
music.co.jp/natori/

──これまでにやったライブは、クラブでのイベントが多いですね。

名取香り(以下、名取):去年ぐらいからクラブ活動を始めたんですけど、でももともと3歳の頃からバレエをやっていて、高校2年生までまさか自分がシンガーになるとは思ってなくて。音楽はもともと好きで、バレエ関連のクラシックとか、兄の影響でいろいろ聴いてたんですけど……。高校2年生の時に足をケガして、それが自分にとって初めての挫折だったんですね。その時は、鏡に映る自分の姿を見るのもイヤで。その後もバレエは続けてたんですけど、“あぁ、私からバレエをとったら、何も残らないなぁ”と思ってた時に、事務所が主催するライブに出ることになって。それまではバレエで大きな舞台を踏むことが多かったから、ライブハウスっていうスペースがとても新鮮だったのと、それまでオーロラ姫やジゼルや妖精を演じてたんですが、フリースタイルの名取香りがステージに上がってる、っていうのもすごい新鮮で。

──緊張することもなく?

名取:ハイ。お客さんは盛り上がってなかったんですけど(笑)、自分の中でボルテージが上がっていくのをすごく感じて。それまでバレエ以外でそういうものを感じたことがなかったから。

──そのステージで何かをつかんだ?

名取:うん。本当に、すごく新鮮な世界がスムーズに私の中に入ってきてくれて。当時高校2年生でいろんなものに興味を持ってたっていうのもあると思うんですが、それまでバレエを体で表現してきて、“言葉で何が伝わるんだ?”と思ってたんですね。でも、それが180°変わりましたね。歌は、言葉やリズムで伝えたりするじゃないですか? その言葉にホレちゃったし、自分が発する声でこんなにもライブハウスを満たすことができるんだ、ってすごく感動してしまって。

──デビュー曲も今作でも詞を書かれてますが、詞を書くようになったのはそれ以降?

名取:ですね。書くのはすごく楽しいんですけど、これまで頭の中で漠然と描いてた絵がなかなか言葉で表現できなくて。すごく時間がかかるんですが、“私ってこういうふうに思ってたんだ”とか、体で思ってた気持ちを表現できる言葉はこれなんだっていう発見があったり、表現を変えてみたりするのが楽しくて。詞や言葉ってこんなにも深いものだったんだなって、書いてて気づかされますね。今回の「Player」は、実は私がいちばん最初に書いた詞なんですよ。

──そうなんですか?

名取:「Gentleman」よりも先に曲を頂いていて、大好きなハウスだし、この曲に乗せて前に進む気持ちを歌えたらな……と思って。でも実際に書いてた時は、すごくネガティブになってた時期だったんですけどね。

──どうやってできていったんですか?

名取:初めてトラックを聴かせてもらったとき、本当、“心が躍る”って感覚で。ただ、いろんなことに飛び込みたいと思ったり魅力を感じたりするんですけど、実際には飛び込むことが怖かったり、99%から100%にいくまでにすごく時間がかかったり。歌をやりたいと思いながらもそういう時期が結構あったんですね。でも、そこから一歩踏み出さないと何も得られないなって。でも、わかっててもなかなかできなかったり。

--思い当たるフシがあるので、すごくよくわかります(笑)。

名取:ですよね(笑)。仲のいい友達と呑んだりすると、よく“人生とは?”って話になるんですね。みんな、“信じ続けなきゃいけないよね”とは言わないけど、“playerでいなきゃダメだよね”って言うんですよ。あぁ、みんなも理想が高すぎちゃったり、それをつかむために努力したりしてるんだなぁと思って。そういう気持ちを、素直に正直に書けたんじゃないかな。

--“信実”、“戦い続ける”ってフレーズが印象的で、そのあたりに強い気持ちが込められているのかなぁと思いました。3曲目でシャーデーの「The sweetest taboo」をカバーされてますが、特に好きな音楽のジャンルというと?

名取:シャーデーはすっごく好きで、声も唇もトラックも、足のつま先から指の先まで全部好きですね(笑)。でも、音楽のジャンルは特になくて、何でも聴きますね。ハウス、R&B、テクノ、ヒップホップのゴツゴツ系はあんまり聴かないかな。でも、サザンも平井堅さんもなんでも。好きな時に好きな曲を聴く、という感じなんですね。だから、自分自身も素直に正直にいいと思えるものを歌っていって、そういうふうに聴いてもらえればなぁと思います。

──それは、「Player」をはじめ歌や詞に込める思いにも通じる?

名取:そうですね。詞を書く時も日常でも“私:みんな”じゃイヤで、常に、“私:君”でいたいんですね。1:1で。どんな音でもリズムでも言葉でも、とらえ方はみんなそれぞれですよね。その中で私が伝えたいと思ってるものや私が持ってるエネルギー。ひとりに込める力というのかな?そういうものが、音楽を通して伝わってくれたらうれしいですね。


取材・文●梶原有紀子
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