まずは、再び活動を始めようと思ったいきさつについて教えていただけますか?
ブライアン:すべてのタイミングがぴったり合ったんだと思うよ。みんなが、再びクリエイティヴな環境に身を置きたかったというか。バックスの音楽を作るにあたっては、一人でも欠けたらなり得ない。5人がいて、初めてバックスは成り立つんだ。
──久々の活動ということで、勘を取り戻すのに苦労したことなどはありますか?
ニック:3年ぶりってこともあって、少し時間はかかったよ。休みの間も僕はソロ活動をしていたけど、ダンスはあえてしなかったしね。あと、A.J.は膝の手術を受けたことで、思うように動けなかったし、僕自身も膝に問題を抱えていて。だから最初にやったことっていったら、5人全員でジムに行くことだったよ。ワークアウトすることで勘を取り戻していったんだ。でも今は、問題なし。年間165公演とかこなしていた頃に近いくらい回復しているよ。
──久々に一緒にやってみて、お互いの音楽的、人間的な成長など、手応えを感じましたか?
A.J.:少なくとも、オレは大人になったかな。オレだけじゃない、みんなそうだと思うけどね。このオフで、みんなが自分を見つめ直し、家族のことを考え、幸せとは何かを見つけた。どんな関係でもそうだけど、自分自身がハッピーになれなければ、相手だってハッピーになんかなれない。毎日顔を付き合わせる相手になれば特にね。ブライアンは父親になって、彼の人生はガラっと変化したわけだし。とにかく、このオフは全員にとって本当に価値あるものだったと思うよ。
ニック:たしかにオフの前と後とでは全然違うな。以前の僕は、あまりに若すぎて、なかなかビジネスとしてとらえることができなかったんだ。でも今は、もっと集中できるというか。正直、昔の自分は、バックスの可能性や価値といったものを、今ひとつわかってなかったような気がするよ。どこか当たり前のように思っていたのかもしれない。でも今は、自分たちの存在をリスペクトできるし、自分たちの音楽がいかに多くの人を感動させているのかを実感してる。これからは、もっとバックスに貢献できるような気がするよ。
ブライアン:確かにニックは大人になったね。だんだんビジネス・マインドがついてきて、結果的にグループへの貢献度が高くなった。僕たち、いわゆる統一感や絆は、前よりも強いんじゃないかな。それに、今後についてミーティングをした時から、ケミストリーはちゃんと存在していたしね。もう11年半もやっているんだから、当然といえば当然だけど(笑)。
ニック:うん、僕らあと10年は大丈夫(笑)。
ブライアン:うそ!?(笑)
──(笑)。グループのとってもいい雰囲気がうかがえますが、最新アルバムについて訊かせてください。昨年の来日公演でもいくつか新曲を披露していましたけど、じつに自由に、朗らかに歌う5人がいて。これまでとはまた違ったアルバムになるんではないかという予感がしていました。
ケヴィン:ショウで聴いた印象? 確かにそうだね。みんなで手をふり挙げながら歌うロック・ソングはとても開放感があるし、ライヴでは思いっきり自由にやっているよ。「ビューティフル・ウーマン」も、「ポスター・ガール」も、すごくいい。
A.J.:別に、昔の曲が嫌になっちゃったわけじゃないんだけど、やっぱり新曲はいいよねぇ。ファンのためにも古い曲は歌いたいけれど、正直「新曲! 新曲!」って気持ちのほうが強かったりする(笑)。