Ryoと大蔵が今のケツメイシのすべてを語る<第二部>アルバム作りの基本は、1曲1曲にテーマ性を持たせて

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──詞がベタだと言われましたが、結果的にそうなっているというだけで、ワザとベタに書いているわけではないですよね。

大蔵:最初に詞・曲を作る時に判断するのは、メンバーとプロデューサーのYANAGIMANさんで、その中で全員に受けるかどうかっていうのを、とりあえず最初に選考会みたいなのをやるんですよ。「この詞はOK」とか、「ここの表現を“俺”から“僕”に変えましょう」とか。

──「さくら」の詞は、ベタといえば確かにそうかもしれませんが、今どき新鮮さを感じるぐらいの純粋な“物語”ですよね。

Ryo:内容は、演歌とか昭和歌謡曲とあんまり変わらないんですよね。結局、曲って人間模様とか恋愛ぐらいしかテーマがなくて。「さくら」だったら、あれは男女の別れがあって、この季節になると思い出す、みたいなのをイヤらしいんですがくっつけて(笑)、それが“オッ、いいんじゃねぇか?”って。後は、自分が歌うところはみんな自分で書くので、テーマというか題名を決めてからブレが生じないように、最初に「男女がいまして、年齢は30代ぐらいで、昔付きあってました、と。2人は会社の同期で……」みたいな細かい設定を作った上で、せーのでバンと書くと……、

大蔵:統一感が出るんですよね。

Ryo:そう。昔は題名だけ決めて、「じゃ、明後日録るから書いてきて」ってやって、いざ録ってみると話がずれてたり、全体としてわけがわからないのもあったりしたんですね。たとえば「さくら」だったら、どんちゃん騒ぎの花見を書いちゃう人もいれば、ワビサビ系を書いちゃったりする人もいるので、そういうのもあらかじめ決めてやるようになったんで、今回は今までの中でいちばん時間がかかってないですね。

──そういうミーティングのようなこともするんですか。

Ryo:会社の戦略会議みたいなもんですよ。ホワイトボードを使ったりして(笑)。

大蔵:イラスト付きで(笑)。

Ryo:「どうなんですか?吉田君!」みたいに。ま、結局なんでもそうなんでしょうけど、好きなことを仕事にするとツラいというか。

大蔵:アハハハッ!

Ryo:昔は趣味で遊びの延長上でやってましたけど、仕事として音楽で食ってくとなると、真剣にならざるを得ないですね。

──大蔵さんもツラいですか?

大蔵:(笑)本当に好きなことがイヤになってしまうことがあるのがツラいですよね。

──そうなった時はどうやって自分を盛り上げるんですか?

大蔵:……寝ますね(笑)。酒呑んで寝ます。4月にさいたまアリーナでライブをやった時も、丸1年ぶりぐらいのライブでしかも会場のキャパシティが18,000人っていう今までにない大きいところだったんで、ちょっと不安になった部分がありまして。特に、田中(Ryo)と私が不安を抱えておりまして。

Ryo:ちょっとナーバスに(笑)。A型なもんですから。で、急きょ楽屋のひとつを「ナーバス部屋」としまして。

大蔵:「集中ルーム」というのを作りまして(笑)。

Ryo:そうそうそう(笑)。で、お互いに30パターンぐらいの「ほめ殺し文句」を考えまして。「大さん、今何言いました?おもしろいなぁ!」とか。

大蔵:「Ryoさん、なんでこんなにおもしろいんだろう!」って褒めあいをそこで延々やりまして(笑)。

Ryo:で、普通に1日目のライブが終わったら、完全に天狗で(笑)。「余裕だな!」なんか言っちゃって。

大蔵:ライブの前日も不安で、一緒にお酒を呑みに行っちゃって。そこでもお互いを褒めあって。

Ryo:褒められると伸びるタイプなんですね(笑)。傷つきやすいんで。



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