5th AL『夕凪LOOP』インタヴュー

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坂本真綾 アルバム自己紹介坂本真綾 アルバム自己紹介

 

――作詞っていうところでいうと、ご自分で作るだけでなく、他の方から提供されるものも多いですが、坂本さんの中での歌詞の位置付けは?

坂本:自分で書くものに関しては、かなり偏ってると思います。だから、他の作家さんにお願いするときは、自分では書かないような詞、私にはない味を持っている詞を書いていただいています。とくに今回のアルバムはそれがかなりあったかな。今まではわりと、人に書いてもらっていても自分に近づけていたことのほうが多かったんですけど、今回は自分を掘り下げる、みたいなことをやったので。今まで意識的に遠ざけてたかもしれない部分をあえてやってみよう、みたいな。今までは歌ったことがないテイストの詞とかも歌ってみました。

――そもそもいろんな人とコラボレートしようと思ったきっかけは?

坂本:デビューから気がついたら8年、9年経っていて、ずっと一人の方にプロデュースしていただいていたんですけど。15~16歳の頃から私のことを知ってくれている家族のような関係のスタッフに囲まれていたんですよね。それで、一緒にいるのが当たり前になっていて、みんなは分かってくれるとか、私がたとえダメでもみんなのチームワークでなんとかしてくれるだろう、みたいな甘えとか依存心が生まれつつあったんです。それもあったし、来年デビュー10年目になるんですけど、それだけ長くやっててもまだ25歳ということで、今のうちにもっと冒険をしておきたいなぁと。自分が歌でできることの可能性をもっと探したい、知りたいと思って。で、性格的に初めて会った人に最初っからオープンに自分をぶつけていけるタイプではなくて、今まで逃げてきた部分にあえて立ち向かうのがテーマだったので。一緒に楽曲を作っていこうって思ったら、恥かしいとか遠慮って、すごく時間がもったいないことだし。旅に出るような感覚というか、冒険と挑戦をしていかなきゃなっていうことでした。

――そんな荒波に飛び込んで完成した新作を聴いてみていかがですか?

坂本:今の私にとって、すごい必要な挑戦だったし、作ってみて「私はもっとこんなことができるかも。あんなこともやってみたい」っていう具体的なヴィジョンが新たに生まれました。もう次のことを考えつつあります(笑)。自分を探す旅はもう少し続けたいと思いますね。

――今の心境なのか、もともとの性格なのかはわからないですけど、とてもニュートラルな歌い手さんだなぁという印象を受けたんですね。どこにでもシフトできる。

坂本:前作まではわりと力が入ってましたよね。いろんな気負いとか「私はこうでなくちゃいけない」とか、優等生チックな考え方というか。今回、新しい人と一緒に作っていく上で、自分を枠に入れておくことをやめて、人に委ねて、私の知らなかった私を引き出してもらいたいっていう気持ちで挑んだので、ニュートラルな感じになりましたね。

――気持ち的には、新しいことに挑戦するっていう気合はあったと思うんですけど、曲ごとの声の泳がせ方や歌に乗っている感覚は力みがなくて。11曲目と12曲目のキャラクターの違いも面白かったです。

坂本:あぁ、そうですね。

――12曲目は可愛いキャラ全開で。ちょっと演技入ってる?とか思ったりもしつつ。

坂本:ははは(笑)。私は、その曲が一番素だったんですけどね(笑)。今回はちょっと大人の、25歳の女性らしさを出したい、というのがあったので。でも最後の曲は「素でやってみよう」みたいな(笑)。

 ――BARKSではファンのみなさんが「お気に入り」登録できるシステムがあるんですけど、坂本さんのファンのみなさんは「声が好き」というのが1位なんですね。で、たぶんその辺の満足度もかなり高いアルバムなんでないかと思いますよ。

坂本:嬉しいですね。自分で楽器を演奏するわけではないので、それが好きって言ってもらえると。でも、声以外は何なのか気になりますね。

――2位は「発言」でした。

坂本:発言?(爆笑)そんなに注目されてるんだったら、あんまり変なコト言わないように気をつけなくちゃ(笑)。

取材・文●望木綾子


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