|
――現時点でのベストということですが、選曲には迷いませんでしたか?

大久保:迷ったりはしなかったけど、曲の並びに関してはすごく考えました。

藤井:曲間とかタイミングも。そういうところにこだわって作ったから、聴いているとアッという間に終わっちゃう感じがあるのかな。でも悩んだわけじゃなくて、自分が聴き手だったらここでこういう曲を聴きたいとかっていうのを考えながら作っていって。うちらは基本的に悩まないですよね。

大久保:悩むっていう感覚がわからないんですよね(笑)。
――オープニングの「39」とラストの「×2×2」は、バンドの音とは違う感じで、今まで音速ラインを聴いてきた人にとってはちょっとした驚きがありますね。

藤井:アルバムの入口と出口は作りたいなと思って。この2曲は自宅で録ったんですけど、他の曲とは違う世界観が出せてよかったと思ってます。でも、試聴した人に、こういう音楽をやるバンドだと思われてもナンなので短めにしました(笑)。
――(笑)そういう理由だったんですか。

藤井:聴いてくれる人に、“ありがとう”って最初に言いたかったんですね。この作品に触れてくれてありがとうって。だから「39」(サンキュー)です。
――ほう。音速ラインって、ちょっとヒネくれてるバンドって気がしてたんだけど、案外ストレートなんですね。

藤井:でも、最初に言っちゃうのはヒネくれてるんじゃないですかね。聴き終わってから“ありがとう”って言うんじゃなく。

大久保:でもそれがうちらの素なんだよね(笑)。
――12曲ある中で特に思い入れの強い曲は?

菅原:5曲目の「流星ライン」ですね。前々からやりたいと思っていた曲で、今回やることになって感無量でした。録ってる時はワクワクしてましたね。

藤井:この曲は4年ぐらい前の曲なので、作った時のことは覚えてないんですけどね(アッサリ)。
――そ、そんなアッサリと(泣)。

藤井:バンドを辞めて一人でやろうかなと思った時期があって、全部自分で打ち込んで全部一人で演って、意外にクオリティの高いものが作れて。

大久保:これが音速ラインのキッカケになった曲で。当時は(音速ラインの)前身バンドの時で、僕はサポートだったんですけど、その頃は全然活動してない時期だったんですね。で、いきなりこの曲が入ったデモが家に送られてきて。それまでの曲は明るいのが多かったんだけど、これはえらくマイナー調の曲だなと。

菅原:もともと藤井さんの曲はゆったりしたテンポが主体だったからね。

藤井:この曲はバンドでできねぇなと思っていて。でも今回やってみたらハマりましたね。当時、鍵盤で弾いてたフレーズもギターでやってみたら、よりバンドっぽくなって。この曲って80年代っぽいメロディじゃないですか? ギター・バンドでこれをやったらマズイかなっていうギリギリのところだと思うんだけど、トシ取ったからできるようになったのかな。若かったら恥ずかしくてやってないかもしれない。ま、今になってみれば、やっちゃいけないものなんてないと思いますけど。
>>インタヴューの続きへ
|