心を激しく揺らす、歌声。 信近エリ、待望の1stアルバムをリリース!2

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nobuchika eri
信近エリ インタヴュー Part2信近エリ


──しかし本人は揺れてるけど、先に見えているものは揺れていない。

信近:はい。だから歌に対する少し異常なくらいの執着心と、あとは周りの助け、その2つだけでできあがったアルバムだなぁと最近思います。

──そしてその歌への執着心が、シンガー信近エリに直結してると。

信近:はい。ホントに何かキッカケがあったわけでもなく、物心ついた時には歌手になりたいって思っていたので。だからすごく後ろ向きな言い方をすると、一時期、“歌を捨てられたらラクになれるのに”って思ったくらい、自分でもちょっとイヤになるほどの執着なんですよね。

──でも歌が連れてくるのは、厄介なものだけではないですよね。

信近:もちろん。声で遊んだりすることを小さい時からあたり前にしてきて、歌手になることばかり思ってきたので、私の中で歌は絶対的で、歌を基準になんでも考えてるんですよ。なので嬉しいとか、悔しいとかいうわかりやすい感情を連れてくるものだし。家族なんて言いたくないけど、でもそういう、改めて好きと言うのにも違和感を感じるような大切存在ではありますね。

──ではその歌との共存を含めて、どういうシンガーになっていきたいですか?

信近:んー、やっぱり欲深い人間なので。

──いいですね、その言い切る感じ(笑)。

信近:結構欲深い人間なので(ニッコリ)、広い視野で生きていたいっていうのはあるんですよ。この仕事を始めたことで、地元で学校に通ってた頃より学ぶことがたくさんあって、自分自身も成長できたから。単純に海外に進出したいとかではなくてね、もっとどんどん視野を広げていきたいなぁと。あとはこう、1つのところで同じことを繰り返すことが苦手なタイプだと自分ですごく思ってるので、挑戦できる強さを持った女性でいたいですね。

──同じことを繰り返すのが苦手で、欲深い=前に進みたい意志が強いって感じは、もうそのまんま歌に出てました。

信近:ハハハハハ。そうですね。

──だから満足できなくて、右往左往してるんだなって。

信近:欲深さ故に手放さなきゃいけないものもたくさんあるじゃないですか。東京に来ることで離れた家族や地元での生活。進んでいく気力は常に持ってるはずなんですけど、それと同じくらい、失っていくものに悩んでる。全部歌に現れてますよね。

──そうやって自分を出していくことには躊躇はないんですね。

信近:最初の頃はありすぎて全然まとまらなかったんですけど。自分のことは出さないって決めて書き始めた詞が自分に近づいてしまっても、出て来たものならいいかなと、最近やっと思えるようになりましたね。

──ということは、次作ではもっと潔く出ちゃってるかもしれない?

信近:そうですね。そういうことが全部入ってるから。楽曲はもちろんですけど、この1年半の私の変化そのものがアルバムの聴きどころだなと思ったので、タイトルも『nobuchikaeri』と、そのまんま付けてしまいました、はい。

取材/文●山本祥子

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