羽ばたく歌声。榎本くるみ特集:インタヴュー

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――自己逃避からみんなを幸せにする音楽を歌いたと思えるまでに、よく変われましたよね。だって180度、方向転換ですよ?

榎本くるみ:そうですね(微笑)。元々、最初から幸せになりたかったんですよ。その逃避してたときもね。でも、そこで逃避し続けた結果、これを続けてもなにもないってことが分かったんです。いつの間にか、自己逃避のために音楽を作ることが癖になってたんですよ。それに気づけたのは今のプロデューサ?に出会ったからなんです。結局、昔は自分のことしか見てなかったんですよね。でも、彼と出会って以降、客観的に物事を冷静に見ていくようになったら“(逃避ばかりしてる)私ってものすごい小さな人間だな”って感じるようになって。それが2年前とかですかね。それまでは“周りなんて関係ないよ”と思ってたんですけど、そのプロデューサーに出会ったとき、すごく温かさがあったんですね。そういう人に触れたときに、本当に幸せになりたいって強く思うようになったんです。自分の理解者に出会えたことで、自分も、自分自身を理解することから始めてみようって思ったんです。

――そこで音楽が自己逃避の道具じゃなく、自分が、みんなが幸せになるための音楽に変わっていって。作る音楽は変わりました?

榎本くるみ:変わりましたね。今までは自己満足のなかでの戯言だったと思うんですね。別に誰かに届かなくてもいいんじゃないかってことを真剣に歌ってたりして。そうじゃなくて、今は広く外に向かって届けたい。歌声も音も歌詞も。そう思うようになった。

――そんな中で生まれた最新シングル「RAINBOW DUST」。歌もそうですけど、イントロとアウトロに薄くコーラスが入っていて。あそこではさらに飛行機雲のように、空をすーっと飛んでいるみたいですね。

榎本くるみ:すっごい分かります。そこが伝わっててくれてすごいうれしいです(微笑)。

――歌詞はすごく丁寧に書いてますよね?

榎本くるみ:たくさんの人に伝わるような言葉で書いていこうというのを、すごく考えるようになったんですよ。そこも私にとっては新しいトライで。この歌詞はすっごい時間がかかりましたね。

――こういう明るいタッチの曲を歌うこともトライだったんじゃないですか?

榎本くるみ:元々マイナー(コード)なほうが好きですね。そこからどんどん開けていって。最近好きになってきたんです、明るい曲が(笑)。だから、この曲は今だから歌える曲ですね。

 


――カップリングを「アイスクリーム」にした理由は?

榎本くるみ:自分の歌を見てると、別れから始まっていく歌詞をたくさん書いていたんです。だから、今回は2曲ひっくるめて、失敗から少しずつだけど自分の足で歩き続けて行くっていう。そういう部分を見せたくてこれにしました。あと、女の子に聴いてももらいたいというのがすごくあって。「アイスクリーム」という題名は“私は叫ぶ(I scream~)”という意味なんですけど。そこもちょっとした可愛らしさを意識してこの題名にしたんですよね。2曲合わせて“女の子頑張れ”というか。そういう気持ちを込めた作品です。

――「RAINBOW DUST」もただのエール・ソングじゃなく、冒頭の<輝いてる人を見るとイライラする>とか<積み重なったあきらめが重過ぎて止まってる>とか、自己逃避を延々繰り返していた人だからこそ分かるヒリヒリした感情、視点も含まれたところでの頑張れソングだと思うので。まさにこれはどん底、暗い時代(笑)を知ってる人だからこその頑張れソングだと思うんですよ。

榎本くるみ:そうですね(微笑)。そういう部分も含め、世の中、いろんな状況で今、頑張って生きてる女性たちに届いたらなと思います。

取材・文●東條祥恵

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