女性ジャズ・ヴォーカリスト特集 ポーレット・マクウィリアムズ

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『フロー』
COCB-53593 \2,625(tax in) 2007年2月2日発売

【収録曲】 ♪試聴できます
01. スムース・オペレーター ♪
02. ギブ・アス・メン
03. ザ・ギフト ♪
04. フライデー・ナイト ♪
05. ヴィジョンズ
06. ブラック・ハニー
07. フロー ♪
08. ライフ・イズ・ア・ファウンテン
09. アット・セブンティーン
10. ゴーン
11. ジャスト・アナザー・ラブ・ストーリー
12. アイ・アム・ア・ウーマン


ルーサー・ヴァンドロスのバック・ヴォーカリストとして知られるポーレット・マクウィリアムスのソロ・アルバム『Flow』。ニューヨークの摩天楼を思わせる正統派のジャズ・アルバムというのは意外だったが、今の彼女の魅力が十分に伝わってくる作品だ。シャーデー、スティーヴィー・ワンダー、ジャニス・イアンといったカヴァー曲を含めて、共同プロデュース兼アレンジには、偉大なるジャズ・トランペッター、ナット・アダレイの息子が手を貸している。バック・ヴォーカルには元アトランティック・スターのシャロン・ブライアントに加え、シンディ・ミゼール、近年注目のベムシの名も。ルーサーのいたNYで、彼女が世に出る切っ掛けを作ったクインシー・ジョーンズのルーツ・ミュージックを演る。この静かでシンプルだが奥深いジャズをテーマに選んだのは、これが今の彼女の原点であり、挑戦だからなのか。これは人の肖像画ばかり描いて来た画家が、自分のために残した自画像のような意味合いを持つのかもしれない。そう思うと、いよいよ主役として立った晴れの舞台がジャズというのも悪くない。それどころか恰好ではないか。TEXT by 石島春美



ポーレットは私のフェーバレット・シンガーだ!
by ルーサー・ヴァンドロス 彼女の歌声はアメージングだ。 I Love her singing!
by スティーヴィー・ワンダー 正にとてつもない歌手。素晴らしい!
by クインシー・ジョーンズ 彼女はエネルギーの全てを出して歌っているわ!
by チャカ・カーン アツくてセクシーでハートにビンビンくるような歌が聴きたいんだったらポーレットが最高にお勧めだ。本当にビューティフルな歌声を感じて欲しい。何てったって、あのルーサー・ヴァンドロスの“絶対に!超まじでお気に入り”のシンガーだからね。
by マーカス・ミラー



親愛なるポーレット
新しい曲を聴かせていただいてありがとう。素晴らしかったです。Myspaceで紹介されていた曲もありましたが、私は「Life Is A Fountain」と「Just Another Love」がお気に入りです。私のコメントを読んで下さってる方に、お伝えしたいと思います。ポーレットの歌声を聴いて魂が揺さぶられない人は絶対にいないはずです。彼女は本物の熱い歌姫…。私はありふれた意味で“歌姫”と言っているのではありません。彼女は、物凄い魔力を秘めた、至高の才能を持ったディーバなんです。しかもダイヤモンドのように煌くハートを持っていて、その歌声の奥には、全てを包み込む美しくて大きな魂が宿っています。彼女のヴォイスは彼女の全てを奏でる楽器なんです。だから、ありえない程にステキに歌えるんだと思います。幸運なことに、私はポーレットと一緒に「Star Suite」を歌う機会がありました。この曲は現在、世界中のハウスDJに「マストアイテム」として引っ張りだこになっています。2人共とても忙しくて、めったに会えないのですが、私は彼女のことを、超一流のシンガーとして、ヘビーな引力を持ったミュージシャンとして、そして最高にディープなソウルを持つ人として、いつも信頼し、リスペクトしています。 I love you Paulette!!!
by Monday満ちる


●ジャジーなハーモニーを楽しむ
偉大なシンガーが歌うジャズもいいけれど、コーラスグループの華やかなハーモニーも、ヴォーカル・ジャズの楽しさのひとつ。楽器の演奏では“テンション”と呼ばれる不協和音をうまく使うのがジャズの特徴だが、ジャズ・コーラスでもそれは同じ。美しくハモるだけではなく、テンションが適度にミックスされていて、独特の緊張感やスピード感を持っている。ジャズならではのハーモニーはとてもカッコいい。この世界でのヒットメーカーは、なんといっても活動歴30年以上を誇るマンハッタン・トランスファー。ダンスを交えたステージ・パフォーマンスも有名なこの男女4人組は、鋭さとゴージャスさを兼ね備えた絶妙のハーモニーを聴かせてくれる。AORの大御所J.グレイドンがプロデュースしたアルバム『エクステンションズ』のように、ポップで楽しいサウンドが持ち味だから、初めてでも聴きやすいハズ。そしてさらに歴史が長いスウィングル・シンガーズもオススメ。こちらは男女8人組の大所帯で、メンバーを入れ替えながら40年以上も活動し続けている。クラシックをジャズのリズムに乗せてスキャットしまくった初期の名盤も最近復刻されているからぜひ聴いてみてほしい。

●コンピレーション・アルバム
様々なアーティストのナンバーが一気に楽しめるコンピレーション・アルバム。もちろんジャズのコンピ盤もたくさんあるが、ここではその一部を紹介しよう。まず『ベスト・ジャズ・ヴォーカル100』(東芝EMI)は、4枚のディスクに合計100曲も入っていてお得感も上々のセット。歌っているのはチェット・ベイカー、ジョー・ウィリアムス、ジュディ・ガーランド、ナンシー・ウィルソンといった大物ぞろいで、様々な時代の名曲が集められている。『COLEZO! Jazz Vocal』(ビクター)には、ヘレン・メリル、サリナ・ジョーンズ、中本マリ、笠井紀美子の4人の女性シンガーによるスタンダードを18曲収録。名曲ばかりだし、4人それぞれの個性も際立っていて楽しめる。ちょっと変わったところでは、ベテランのブラスロックバンド、シカゴが1枚まるごとスタンダードジャズを演ったアルバムがある。『ナイト・アンド・デイ』(BMG)がそれで、『シング・シング・シング』、『キャラバン』、『ムーンライト・セレナーデ』など30~40年代のボーカル・ジャズナンバーを、ビッグバンドを従えたスタイルで聴かせてくれる。


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