Dir en greyが生み落とした“巨大な怪物”の正体に迫る<INTERVIEW>

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――待望のニュー・アルバムがいよいよ登場。しかし、発売当日に日本に不在というのもすごい話ですよね!

薫:確かに。ま、でも、発売日だから何かをするとか、そういうバンドでもないですからね(笑)。2月1日からフロリダを皮切りにアメリカ・ツアーが始まるわけなんですけど、初めてヘッドライナーとしてほぼ1ヶ月まわることになるんで、楽しみにしてます。

Die:期間的には昨年夏の<THE FAMILY VALUES TOUR>のほうがずっと長かったけど、あのときは30分程度しか持ち時間がなかったし。内容的には昨年の秋から国内でやってきたツアーに準じるものということになるかな。でも、ちゃんと“自分たちのライヴ”をやれるのはうれしいですね。アメリカではアルバムの発売日が2月20日なので、確かテキサスあたりで発売日を迎えることになるはずなんですけど。

――今回のアルバムは、世界11ヶ国でほぼ同時期にリリースされる予定だとか。そういった状況の変化は、たとえば音楽に取り組む姿勢にも何らかの影響を及ぼしたりするものなんでしょうか?

京:その影響はないですね。そういうことを気にするのは、僕ら自身ではなく、アルバムを“売る”側の人たちだと思う。

薫:俺ら自身が考えても仕方のないことですからね。“世界各国に受け入れられるアルバム”というのを作ることができればそれも悪くはないけど、それがどういうものかなんて誰にもわからないわけで。もちろん、いろんな国で時間差なくアルバムがリリースされるのはうれしいですよ。でも、そういった状況変化が、音楽性とか音楽に向き合う姿勢に影響するなんてことはあり得ない。

――肝心のアルバムに関してですが、レコーディング状況はかなり過酷なものだったと聞いています。国外での活動が多かった影響もあるんでしょうか?

Die:いや、確かに<THE FAMILY VALUES TOUR>がなかったら、あの時期をずっとレコーディングに使うこともできたわけで、もっと早くにアルバムを完成させることができたかもしれないけど、アメリカでの経験がこのアルバムにとってプラスに働いたところも大きいし、そのせいにはしたくないですね。刺激もたくさん得られたし。

Toshiya:確かに帰国後の作業は、かなりスケジュール的に密度が濃いものにはなりました。ただ、それも結局は、アルバムをより満足度の高いものにするためですけどね。

京:僕の場合は、アメリカから帰国後に喉のコンディションが悪化してしまったために、当初の予定通りの日程でヴォーカル・パートを録ることができなくなってしまったんですね。で、締め切りギリギリのところでかなり集中的に録ることになった。でも、それも逆に良かったかなと思う。結果的に、すべての歌を今の自分に近い状態というか、温度差のない状態で録ることができたんで。

薫:実際、アルバム完成間近なところでの最終的な作業が大変だったところはありました。11月からのツアー中も、サウンド面での微調整やアートワークについての確認で、常にデータのやりとりをしてたし。マスタリングまで完了したのもツアー先でのことだったんで、“終わった!”という感慨に浸れないところがあったのは確かですね。でも、時間的な面ではともかく、精神的にはキツくなかったというか、むしろこれまでよりラクにできた気がするんですよね。“自分たちのすべきことをすればいいんだ”という感覚がこれまで以上に強かったというか、いい意味で“これしかできない”と思っていることを、とことんできた満足感もあって。

――海外での活動が、何か具体的な要素としてこのアルバムに反映されたと実感している部分はありますか?

薫:どうでしょうね。実はアメリカ・ツアー中にツアー・バスの中で作った曲もいくつか入っているんですけど、その曲たちがアメリカっぽいかと言われたら、必ずしもそうだとは思わないし。

京:むしろ、そういうことが具体的な変化につながるようなバンドではありたくないですね。そんなのは単純にカッコ悪い。歌詩で英語の比重が増えているのも、そっちのほうが合う曲が増えてるからという理由でしかないし。

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