Dir en greyが生み落とした“巨大な怪物”の正体に迫る<INTERVIEW>

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――ちなみに『THE MARROW OF A BONE』というアルバム・タイトルに込められた意味は? 「THE FATAL BELIEVER」の歌詩に“骨の髄まで”というフレーズが出てきますけど、意味的にはこの言葉と重なっていたりもするわけですよね?

京:それは確かにそうなんだけど、だからと言ってその曲がアルバムの中で特に重要なものなんだというふうには見て欲しくないし、タイトル自体には深い意味があるわけじゃないんです。ただ、いくつも候補があがっていた中で、事前に意識統一みたいなことをしてたわけでもないのに、全員が即座にこの言葉を選んだんですよね。そうやって5人とも自然に同じ方を向けていることには価値があると思う。

Die:精神的な意味で、このアルバムに相応しい言葉だと思いますね。

薫:同時に、現在のDir en greyそのものにも似つかわしい言葉だと思う。

――たとえば今回、いわゆる欧米の大物プロデューサーと組むようなことは考えなかったのですか? そろそろDir en greyにもそういった時期が来るのではないかと考えている人も多いはずだと思うんですが。

薫:実際それは、いつかやってみたいことではあるし、一緒に組んでみたいと思うプロデューサーやエンジニアは何人もいます。でも、それは俺ら自身が“目指す”ことではなくて、その必然があるときに“起こる”ことだと思ってますから。ただ、今回のアルバムは純粋に日本国内でレコーディングされたものではあるけど、「凌辱の雨」のシングルを境に、新しいエンジニアと仕事を始めてるんですよ。その人との作業のなかで新たな発見がいくつもあったことも事実ですね。

Die:いつか海外のプロデューサーとアルバム作りをするようなことになったとき、自分たち自身が確固たる存在であることが重要だと思うんです。俺らの側から誰かにオファーするんじゃなく、そんな自分たちを評価してくれた誰かが“キミたちと一緒にやってみたい”と申し出てくれることが理想でもあるし。

――確かに。ところで今回のアルバムとこれまでの作品との違いについてはどんなふうに自覚していますか?

Die:重い曲はより重く、深い曲はより深く。芯の部分は変わってないし、違いがあるとすればそういう次元での差だと思いますね。

薫:とても振り幅の広い楽曲たちが収められていながら、ちゃんと1本の芯が通っている。そこを感じ取ってもらえたらうれしいですね。それから『Withering to death.』がある意味、綺麗に作られたアルバムだったとすれば、これはむしろ“聴き手にやさしくない”アルバムだと思う。

――なるほど。最後に、これからのプランについて聞かせてください。今年は結成10周年の年でもありますけど、それに関連した特別な計画などもあるんでしょうか?

薫:10周年だからといって、特別なことは何も考えていません。今のところは。ただ、当然ながらライヴはたくさんやることになりますね。アメリカ・ツアーが終わると、春には国内ツアーも控えてるし、夏にはヨーロッパに行くことになりそうだし。さらにその合間に何をやるかについても、いくつか選択肢があったりするんで。

Shinya:10周年については、なんかあんまり実感がないんですよね。

京:基本的にこのバンド、みんなそういうことには無関心なんで(笑)。

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