筋肉少女帯、アルバム『新人』インタビュー

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──今後の予定はどうなるかわからないっていう話を以前の取材ではされていたので、オリジナルアルバムがこんなに早くリリースされるのは驚きもあり、嬉しさもありでした。

大槻ケンヂ(以下、大槻):個人的には本当、どうなるかわからなかったんです。ただ、“仲直り”と題したライブをやって、みなさんの歓迎ぶりが本当に良くって、レコード会社のほうからも新譜を出したらどうかというという話も出てきたので。そんなに良くしてくれるんだったら作ってやらんでもないなぁ、と……(一同笑)。

本城聡章(以下、本城):やらんでもない! 大先生だ(笑)。

橘高文彦(以下、橘高):気持ち新人、扱いはベテランでお願いしておりますので(笑)。

──今回書き下ろしの新曲は、制作への入り口はどんな感じだったんですか?

本城:そもそも、どんな曲を作るんでもこのメンバーでやれば筋少になるっていう自信はやっぱりあるんで。そういう意味では、“筋少っぽいもの”“筋少らしいもの”を作ろうっていうよりは、復活ライブをやって感じたものをなるべく素直に曲にしようって感じだったかな。でも、自分の中では今回、“原点回帰”みたいなものがテーマとして少しあって。そういう意味では、自分のギターに対しても、活動凍結直前ぐらいのアルバム何枚かと比べるとやっぱりちょっと気持ちは違ってて。このメンバーになって最初の頃のアルバムでやってたようなものをもう1回やりたいな、みたいな。それが自分にとってすごく新鮮に感じるように、今ようやくなったんで。

大槻:あと、最初ね、“曲短くしてくれ”って言ったんですよ。ライブで曲いっぱいやりたいんだけど、曲が長いと曲数あんまりできないでしょ? だから、どうすればいいかっていったら、始めから曲を短くしてくれと。

橘高:斬新な発想だね(笑)。分数設定から先ってわけわかんねーな、と思いつつ。長い曲はおのずと出てくるだろうからそれは徹底的に長くやろうって言ってたんだけど、書く曲は短くまとまった。でもそれは削除したっていう意味じゃなくて、そこに全てを表現してしまいたいという。

──短い時間でも思いっきり濃い、的な。

橘高:うん。それが今回は、“広げる芸風”っていうのかな? 4分、5分以内でどれだけ大げさに広がっていくかは、ひとつ新しいジャンルとして面白かったよね。

大槻:あと、今回は……。より、激しいんじゃですかね! 筋少のアルバムの中でも特に、激しさ度は相当じゃないかと、うん。

橘高:「ヘドバン発電所」は、筋少史上最速更新です! 今回、BPMがついに200超えました(笑)。人間が普通叩けるもんじゃないのに叩いてるっていう、“びっくり人間”的なものの美しさを表現してみました(笑)。

──キャリアが増すとテンポを落としていくバンドは多いですけど、それとは見事に逆ですよね(笑)。内田さん、筋少史上最速で一二を争うぐらい激しい音作りはどうでした?

内田雄一郎(以下、内田):そりゃあねぇ、もう……。クッタクタですよ!(一同爆笑)。筋少で久しぶりに新譜を作ってみたら、クタクタでしたねぇ~……。“音入れすぎだよみんな!”、っていう。

橘高:5分以内の曲に、12分以上の曲に入るくらいの音数を入れてたりします(笑)。「交渉人とロザリア」とか、昔だったら20分ぐらいの曲にも出来たんだろうけど、これも80何トラックとかあるんじゃないかな。

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