ミドリ、『あらためまして、はじめまして、ミドリです。』大特集内インタビュー

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──バンドを結成してから5年になるんですね。

小銭喜剛(以下、小銭):そうですね。

後藤まりこ(以下、後藤):ハジメが入って3年、ココ(小銭)とは5年。元々、大阪で別々のバンドをやってて対バンしてて、で、ある日、友達のベースの子に“新しくバンドやろう”って誘われて、“それやったらドラムは小銭くんがいい”って言って声かけて。はじめは歌謡曲のコピーしようって言ってたんだけど、全然、みんなコピーできなくて。スタジオでバーン!と音出して曲を作っていたら、ある日、ベースの子がいなくなって。

──いきなりいなくなった!?

後藤:“彼女できたから辞めるわ”って(笑)。その後も、いろんなメンバーが入れ替わり立ち替わりしてて、いろいろ活動してたら1年半くらいしてハジメが入った。

ハジメ:当時、僕がまだ大学生の頃、知り合いが“ミドリって変わったバンドがいるねん。ライヴ、見に行かへん?”っていうんで行ったんですよ。そしたら……こりゃーちょっとヤバいな、と(笑)。この2人の他に、般若(ハンニャ)のようなメイクをした人が“オェ~ッ”という声や女性の喘ぎ声みたいなノイズを出してるし、さらにステージの反対側には裸で踊ってる男もいて…(笑)。

──それは確かにヤバい(笑)。

ハジメ:なんか衝撃的だったけど、わらなかったんです(笑)。それがミドリとの最初の出会い。その後、メンバー募集をしてるっていうのをホームページで見て“ミドリに入りたい”みたいなことを言ったんです。なんか、おもしろそうやったから。

後藤:ハジメが入った時くらいから、曲にA、B、サビっていうのが出来るようになって。それまではAもBもないし。“この言葉を言ったら終わり”とか、そんなんやったな?

小銭:Aだけしかない、とかな(笑)。だから曲を忘れるし、なかなか覚えられない。

──ハジメさんの加入は、ミドリの音楽にとっては大きな転機になってる、と。

小銭:確かに。ハジメが入って変わりました。とはいっても、相変わらず今も“やりたいことやろうや”という感じで。特に(音楽的な)テーマもないけどな(笑)。

ハジメ:曲作りも、誰かが1曲丸ごと書いてきて、“コレやってみよう”というのはなく、誰かが持ってきたちょっとしたフレーズやリズムの上に乗っかってセッションで作っていくんです。そのきっかけが歌詞の場合もあって。

──例えばニュー・アルバム『はじめまして、あらためまして、ミドリです。』の中でそういう作り方しているのは?

ハジメ:僕が覚えてるのでいったら、♪デストロイ!!♪ですね。

後藤:ああー、「ゆきこさん」はそう。“♪デストロイ!!♪やねん”ってスタジオで言ったのがきっかけやった。

ハジメ:“♪デストローイ!!♪…こんな感じのスパーンとしたの、やりたいねん”ってところから曲が出来ていったんですね。

──スゴい作り方! 少し乱暴な言い方ですけど、本作は「お猿」「根性無しのあたし、あほぼけかす」のような童謡っぽい曲、「5拍子」「無欲の無力」のようなプログレ風の曲、「ゆきこさん」「かなしい日々。」のようなアナーキーな曲、に大きく分けられると思うんです。もっと言えば、その辺の3要素が核になってんじゃないか?と。

後藤:取り入れたいとかは意識してないけど。

小銭:みんな好きなのが違う、それが自然と出てくるのかもしれない。ワシは、もろに和太鼓をやっとったし。

ハジメ:僕はプログレッシヴなものが好きで、ベースの岩見さんはジャズ好き。ホンマ、バラバラなんです、この4人の好きな音楽は。だから、どの曲も意図して作ってなくて。例えば「無欲の無力」とか、あの混沌とした雰囲気はキングクリムゾンのある曲に似てるなって僕は思ってるんですけど、プログレを聴いてるのは僕くらいですし、きっと“プログレな曲にしよう”って言ったら、みんな“えー、そんなことゆーてもわからへんし”って感じになると思うんですよ(笑)。だけど、ほったらかしにしたら勝手にこうなるから面白い。僕は僕で好きなことできるからええか、みたいな(笑)。

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