-異種格闘技対談-Ring【round2】第6回/若杉公徳(漫画家)

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-異種格闘対談-Ring【round2】第6回

GUEST 若杉公徳(漫画家) / 逹瑯(Vo) ムック

「デスメタルのコアなファンからディスられたりとかなかったんですか?」逹瑯
「なかったですね。すごく好意的に見て下さってたみたいで。デスメタルのCDを送ってきてくれたりして」若杉

――嫌な漫画の読み方してるね。

若杉:あははは。たしかに(笑)。作家目線ですよね(笑)。

逹瑯:っていうか、正直、しんどくないです? 毎週でしたっけ?

若杉:僕は隔週ですね。

逹瑯:隔週にしても、ストーリー考えて絵も描くんですもんね。どうしてるんですか? 締め切りだらけじゃないですか!?

若杉:あははは。そうですね、締め切りだらけですね(笑)。

逹瑯:ですよね! 俺も絵描くの好きなんで、いろいろと自分たちのグッズ周りとか描いてるんですけど、締め切りのある絵を描くの大嫌いなんですよ! 描かないといけないっていう状況がすごい嫌で。

若杉:でも、締め切りだらけなんで(笑)。いつも追われてる感じですね(笑)。

――どこで付いたイメージなのか、編集担当が後ろで“先生! 早くして下さい! 締め切り過ぎてるんですから! 落ちます!”みたいに取り立てて、はちまきして必死に描いてて、それを“あ~! もぉ、うるさい!”ってグシャグシャに丸めて捨てるとか、そういうことって本当にあるのかな? とか(笑)。

逹瑯:それとかさ、担当編集が寝てて目を覚ましたら、先生いない、とかね(笑)。

若杉:あははは。なんでしょうね、そういうイメージありますよね(笑)。でも僕には、せっかく描いた絵をグシャグシャってやるだけの勇気はないです(笑)。間違えたら必死でちょこちょこ修正液で直しますから。

逹瑯:あははは。ですよね! せっかくそこまで描いたんですもんね! グシャグシャに丸めるのってそれなりに度胸ある人ですよね(笑)。

――そっか(笑)。さっき担当の編集の方に聞いたんだけど、若杉さんは締め切りはちゃんと守る人みたいよ。優等生だって。

逹瑯:マジっすか!

若杉:あ、はい、わりと(笑)。

逹瑯:あれって、1話描くのにどれくらいかかるもんなんですか?

若杉:2週間くらいですかね。1週間ネーム(ストーリー)作り、1週間作画っていう感じです。僕の場合は、ネームだけは1話先まで書いてあって、絵はギリギリですけど。最初は3、4話先くらいまでネームを書いてたんですけど、だんだん追いつかれてっちゃって(苦笑)。

逹瑯:すげぇ。あの、お休みは持ち回りなんですか?

若杉:お休み?

逹瑯:少年漫画誌の連載漫画って、たまにお休みする号ないですか? “次号は休載します”って。

若杉:あ、たぶん、あれは間に合わないというか(笑)。基本、連載にお休みはないですからね(笑)。追いつかれちゃって、ストックがなくなっちゃうんで、期日までに間に合わないというか。たぶん、作家のペースなんだと思いますけど。

逹瑯:やっぱそうなんだ! いや、俺ね、『はじめの一歩』とかも大好きなんですけど、もう最近わかるようになっちゃったんですよ、“ん? この思わせぶりな終わり方は、次号休載だな”って(笑)。

――だから、そういう嫌な漫画の読み方しないでほしいですよね。

若杉:あははは。

逹瑯:だって、すげぇいいとこで終わるときに限ってそうなんだもん! 合併号とかでやられると、もぉ、次までが長くて長くて、待ち遠しくてたまんないんで、あれは止めてほしいんだよね。絶対来週ないわって思うと確実に当たる。

若杉:あははは。でも、作家の立場からすると、それはすごくわかるというか(笑)。辛いと思いますからね(笑)。

――私たちも毎日閉め切りに追われてますけど、若杉さんたちの方が辛い気がするなぁ。私たちは1本1本違う原稿ですからね。若杉さんたちは、ずっと同じストーリーの中で描き続けるってことですもんね。ましてやストーリーも考えるなんて、想像つかない。

逹瑯:つかないつかない。またギャグ漫画だと笑わせなくちゃだし、ストーリーも繋げなくちゃだし、大変ですよね。

若杉:そうですね。1話完結モノは結構難しいですね。

逹瑯:ですよね。めちゃめちゃ話戻りますけど、『デトロイト・メタル・シティ』のキャラ設定とかも若杉さんが考えたんですよね?

若杉:はい。そうです。

逹瑯:なんか、設定するのにヒントっていうか、参考にした人とかいるんですか?

若杉:根岸くんの家族は、基本自分の家族ですね(笑)。

逹瑯:へぇ~(笑)。キャラクターの名前はどうやって決めたんですか?

若杉:根岸とかは、ギャップがある名前にしたかったんで、なんかダサイ名前ないかなぁ~って考えて、クラウザーII世がカッコイイから、本名が根岸ってどうかなって。思いつきでしたね。

――今、全国の根岸さんを敵にまわしましたよ、若杉さん(笑)!

逹瑯:あははは。ダサイ名前っていったからね(笑)。

若杉:あ、いやいやいや(笑)。

逹瑯:映画の時の配役も若杉さんが?

若杉:いや、ほとんどそこはお任せでしたね。でも、根岸くんのお母さんだけは、宮崎美子さんがいいなっていうはっきりしたイメージがあったんですけど。

逹瑯:クラウザーさんが歌う「SATSUGAI」はVAMPSのK.A.Zさんが作曲したんですよね?

若杉:はい。僕は作曲なんてしたことないんで、あれが曲になったときは感動しましたね。“すごい、こんな感じになるんだ!”って。

――歌詞は若杉さんですもんね(笑)。

若杉:そうなんですよね、作詞は(笑)。

逹瑯:でも、メタルはメタルでもデスメタルって、いききったメタルですからね(笑)。コアなファン層もすごくいるシーンだと思うけど、ディスられたりとかなかったんですか?

若杉:なかったですね。すごく好意的に見て下さってたみたいで、いろんなデスメタルのCDを送ってきてくれたりして。

逹瑯:すげぇ! でも、まだ『デトロイト・メタル・シティ』がアニメ化される前、自分で作曲した人が動画に上げてたのがあって、俺、すげぇ感動したんですよね(笑)。ちゃんとデスメタルでカッコ良かったんですよ(笑)。

若杉:あ、僕もそれたぶん見ましたね(笑)。

逹瑯:あれはホント、メタル好きな人が見ても面白いと思うだろうし、ミュージシャン目線から見ても、プッって思えることいっぱいあって、面白いんですよね。それに、松山ケンイチさんがすごくはまり役だったなって思いましたね。あんなライヴなんてやったことなかっただろうけど、すごくキマッてた。すげぇ様になってたし。きっとすごく研究したんだろうなって感心したというか。

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