SUGIZO、希望とメッセージを内包した「FLOWER OF LIFE」「TREE OF LIFE」大特集

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SUGIZO

待望のオリジナルアルバム 2枚同時リリース 「FLOWER OF LIFE」「TREE OF LIFE」

LIVE REPORT

<SUGIZO TOUR 2011 STAIRWAY to The FLOWER OF LIFE>
12月22日(木)Zepp TOKYO

ステージ前面の紗幕に映るのは、ギターを携えたシルエット姿。様々な角度からのライトで浮かび上がる何層ものシルエットに、ステージ後方で光る今回のツアー・アイコンが重なり、奥行きある幻想的なシーンも作り出している。そしてシルエットが軽く右手を上げた直後、ギターに触れた指先から独特のビブラートと共にメロディアス・フレーズが広がっていった。

2枚のソロ・アルバム発表に合わせて行なったツアー<SUGIZO TOUR 2011 STAIRWAY to THE FLOWER OF LIFE>の最終日、12月22日のZepp TOKYO。今回のソロ・アルバムは、人とつながり合うための音楽であり、ドンズバのギター・アルバムだと語っていたSUGIZO。それを象徴するかのように、ライヴは自身の放つギター・フレーズから始まり、そのトーンに宿った思いはオーディエンスの気持ちを優しく包み込んでいった。

そのメロディに、コズミック・ダンス・オーケストラのバンド・サウンドが融合しながらオープニング・ナンバー「CONSCIENTIA」へ突入。スクリーンには森羅万象のモノクロ映像が浮かび上がり、アートな世界も広がる。そして曲が転調したときだった。それまでステージを覆っていた紗幕が落とされ、ついにSUGIZOのナマの姿が目の前に現われた。

フロアから起こる歓声が、SUGIZOの弾く飛翔感あるフレーズに絡み、とてつもないパワーが会場に渦巻く。それを増強させるがごとく、ヘヴィ・リフも印象的なキリング・ジョークのカヴァー「EXORCISM」へ。激しく点滅するストロボ・ライトの中で、SUGIZOは弦を激しくピッキングしながら叫ぶように言葉を繰り出す。さらにステージ上手で腰を落としてギターをかき鳴らし、今度はステージ下手であおる。曲の中盤では何本ものスポットライトの光を浴びながら、ワウペダルを踏みながらギター・ソロを決める。ポジティヴなエネルギー全開のステージと、早くも興奮の頂点に達したオーディエンスだった。

曲のエンディングでギターのサスティンが響く中、「会いたかったぜ、東京! 今日は最後まで楽しんでいってください」とSUGIZOは気持ちを伝える。

リズムが流れ始めると、ステップも踏みながら「MESSIAH」へ入ったのだが、ライヴ本編でMCをしたのはその一度限り。あとは次から次へと曲を連発。もちろん2枚のソロ・アルバムを主軸にしていたから、彼自身が言葉を発する場面はほぼない。しかしながら、ここまで身体も心も、そして視覚までも魅了するライヴはあまりないだろう。

コズミック・ダンス・オーケストラの作るバンド・サウンドは、音源ともまた違ったエネルギーにあふれ、そのグルーヴは身体をダンサブルに揺らし続ける。そのバンド・サウンドと一体化しながらギターを弾くSUGIZOは、自ら足元のエフェクトを踏み変えながら曲ごとに様々なアプローチを展開。

「NO MORE NUKES PLAY THE GUITAR」では、スクリーンの原爆キノコの映像に、アップストローク・カッティングの金属的な響きが絡ませる。かと思えば「PRANA」ではトランペットと音の会話を楽しみ、「FATIMA」ではガット・ギターの柔らかい音色を広げる。SUGIZO自身がギターの音に意志が宿ると語っているように、指先から生まれるトーンやフレーズは肉声以上に思いを伝え続けた。それは悲しみと怒りに満ちたときもあれば、祈りのメッセージであることも。弾く表情がまた感情的で、見ているだけで引き込まれ、曲の核心へも導かれていく。

ライヴ中盤にはヴァイオリン・ソロもフィーチャーした「MIRANDA」、ベリーダンスとの情熱的なステージ・パフォーム、パーカッションを叩きまくる場面もあった。しかしギタリストとしての存在感の強さが、このライヴでは印象的だった。

アンコールでは、3月11日以降の思いを言葉で伝えるSUGIZO。震災から学んだのは「世界中からサポートしてもらって、俺達は孤独じゃない」ということ。「原発は俺達と共存することはできない」ということ。さらに“この言葉は好きじゃないけど”と前置きをして「みんな、これからも頑張ろうね」と。ボランティアで現地の復興の手助けを経験してきた彼だからこそ、どの言葉にも真実味がある。そして胸を打つ。会場から起こる拍手と歓声はSUGIZOを包み込んだ。

SUGIZOは笑顔もこぼしながら「TELL ME WHY?」からアンコール・ナンバーへ突入。最後は「みんな、最高に愛してます」と感謝して「SLEEP AWAY」へ。優しい音色と壮大なメロディは、2011年にネガティヴな思いを浄化させていくようでもあった。最後の一音が鳴り響いたとき、会場中に溢れるのは幸せそうな表情。ステージにいるSUGIZOもまた同じ。

「2012年、最高の時代を一緒に作ろう」

音楽でつながり合いながらライヴは感動的なエンディングを迎えた。

セットリスト
  1. 1.CONSCIENTIA
  2. 2.EXORCISM
  3. 3.MESSIAH
  4. 4.NO MORE NUKES PLAY THE GUITAR
  5. 5.PRANA
  6. 6.FATIMA
  7. 7.MIRANDA
  8. 8.ENOLA GAY
  9. 9.INITIATION
  10. 10.Elan Vital
  11. 11.NEO COSMOSCAPE
  12. 12.FOLLY
  13. 13.DO- FUNK DANCE
  14. ENCORE
  15. EN-1.TELL ME WHY?
  16. EN-2.SLEEP AWAY
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