-異種格闘技対談-Ring【round2】特別編/櫻井敦司(BUCK-TICK)

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-異種格闘技対談-Ring【round2】特別編 逹瑯(ムック/Vo)× 櫻井敦司(BUCK-TICK/Vo)

以前スタジオで挨拶をさせてもらったことしかないという逹瑯は、収録日の朝から緊張気味。しかも、ラジオなのにフル衣装&フルメイク。え!? この番組、ラジオなのにいつもそんな完全装備なの!?

「いやいや、普段は違うよ(笑)。ラジオだから見えないからね。さすがにそんな無駄なことはしないんだけどさ。今日は、櫻井さんが正装で来るって聞いたから、俺もちゃんと正装でお迎えしなくちゃと思った訳」

にしても。気合い入りまくりのフル衣装&フルメイクであった。

「櫻井さん、入られます!」(スタッフ)

そんなスタッフの声に緊張感が漂った。逹瑯は立ち上がり、入り口の方に出て櫻井敦司を迎える体勢を取る。さすが縦社会を重んじる男・逹瑯。その自然な行動はさすがである。

「よろしくお願いします」(櫻井)

紳士的な出で立ちの櫻井がスタジオ入りすると、そこの空気は一変した。まさに、オーラと呼ばれるエネルギーを見た気がした。櫻井は、スタジオの入り口で迎えてくれた逹瑯に気付くと、柔らかい笑顔を見せ、右手を逹瑯の前に出した。

「呼んでくれてありがとう。今日はよろしくお願いします」(櫻井)

どこまでも紳士的。

「MUCCの逹瑯です。こちらこそ、よろしくお願いします」(逹瑯)

差し伸べられた手を、しっかりと両手で包み込んで握手した逹瑯。そして逹瑯は、マイクがセッティングしてある収録テーブルの方に櫻井を誘導した。こんなにも紳士的なMUCC逹瑯は見た事がない(あ。失礼)。

そして。いよいよ本番。
番組のジングルが流れ、逹瑯がゲストである櫻井を紹介し、収録がスタートした。

「今日はよろしくお願いします! 俺、今日は朝からめちゃめちゃ緊張してるんですけど、ここに来たら、スタッフも俺以上に緊張しまくってて(笑)。でも、やっぱ櫻井さんってすごい人だなぁって思いました!」(逹瑯)

櫻井をゲストに迎えることになってから、櫻井との共通の話題をリサーチしたという逹瑯は、櫻井がネコ好きという情報をゲットしたらしく、まずはネコ話へ。

これが想像以上の盛り上り(笑)。目を細めながらネコ話をする櫻井は、ステージに立つBUCK-TICK櫻井敦司とは違う顔。そんな櫻井の表情に、だんだんと逹瑯の緊張もほぐれていったようだ。そうしたネコトークで、櫻井との距離を縮めた逹瑯は、次第にアーティスト櫻井敦司の魅力に迫る話題へと切り換えていく。

「俺、櫻井さんの印象がすごく変わったのが、「CREAM SODA」なんですよ。CDで「CREAM SODA」を聴いたとき、俺の中の櫻井さんのイメージにはなかった歌い方だったので、びっくりしたんですよね」(逹瑯)

「「CREAM SODA」は(ライヴでも)かなり動きますからね。たしかに。あの曲は、真っ黒でそこに佇んでいなければいけないというBUCK-TICK櫻井敦司像を塗り替える1曲ではあるかもしれませんね。でも、あれも自分なんですよ。いつも、真ん中でまっすぐ佇みながら、“なんで俺はいつもここで佇んでるのに、今井だけあんなに自由なんだ?”って思ってたりもしますから(笑)」(櫻井)

そんな櫻井の発言に逹瑯は大爆笑。

「あとあと、俺、すごく気になってる歌詞があるんですよ。「ミウ」の歌詞なんですけど、何が気になるって、あの歌い出しですよ! いきなり“嫌いだ”ですからね! すごいインパクトですよね。俺、あの歌詞は、自分が歌詞を書く上で、めちゃめちゃ勉強になりましたね」(逹瑯)

といった具合に逹瑯ならではの切り口と、逹瑯ならではのトークのテンポ感で櫻井を引き込み、櫻井も少しずつ逹瑯の視点に合わせていく。

「“嫌い”から始まるところは、逆説みたいなモノですよね」(櫻井)

「え!? 逆説ですか?」(逹瑯)

「そう。小学生の頃の恋愛と同じですね。嫌い嫌い、から始まりますから。そんなもんじゃないです? そんなもんですよね、男なんて(笑)」(櫻井)

「なるほど(納得)!」(逹瑯)

たしかに。小学生の頃の“嫌い”は、好きの裏返しだもんな……。しかし。櫻井が言うと、なぜか小学生の頃の話なのに、艶っぽさが漂うのはどうしてだろう…?

トークはそうしたアーティストとしての話から、最近気になることまで多岐に及んだ。そしてラジオのコーナーでもある【最近起こった見出し風エピソード】に【寿司・ホルモン】と答えた櫻井に対し、

「同じ人間で良かったぁ~(涙)」(逹瑯)

と胸を撫で下ろす逹瑯(笑)。

「いや、何も思いつかなかったんで、ただ好きな寿司とホルモンを上げてみたんですけど(笑)。寿司はコハダが好きですね」(櫻井)

「うわぁ。食ったことないわ~」(逹瑯)

「いや。お年を召してくるとああいった、さっぱりした白身の魚がいいんですよ。逹瑯さんは何かお好きなネタってあります?」(櫻井)

「俺は、葉わさびの手巻きを食べてますね」(逹瑯)

という逹瑯に、

「あらまぁ~、大人な」(櫻井)

という普段ステージでは見せない、珍しいトーンの合いの手を入れた櫻井にスタジオ内のスタッフも大爆笑。

話題は映画や読書についても広がり、櫻井敦司の好きな映画として上げた『太陽がいっぱい』に興味津々の逹瑯。更に、『バカボンド』が好きだという櫻井にも、食いついていく。

「漫画とかって、どこでいいな、と思う作品と出逢うんですか?」(逹瑯)

と、やはり、櫻井に対する憧れが強い逹瑯は、櫻井が自分と同じ地球上に存在し、自分と同じような生活を日々送っているとは考えがたい様子で、ぐいぐいと聞き進めていくのも実に面白い流れ。それに対し、

「どこなのかな? どこなのだろう?」(櫻井)

と、やはりこれにも、ライヴ中、まっ黒で中央に佇むBUCK-TICK櫻井敦司からは想像がつかない、ほんわかした空気で返す櫻井。

逹瑯はこの日、櫻井敦司に中身から惚れ込んだようであった。

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