ヤマハ、音でデジタル情報を伝送する「INFOSOUND」を利用したスマートフォン向け新サービスに向けフジテレビと提携

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ヤマハは、フジテレビジョン(以下フジテレビ)と業務提携し、ヤマハが開発した音波による新しい情報伝送手段「INFOSOUND(インフォサウンド)」を、フジテレビが提供するさまざまなコンテンツにおいて活用することにより、スマートフォン時代における新サービスを共同で開発することで合意したと発表した。

「INFOSOUND」は、ヤマハが開発したデジタル情報を音響信号に変調して伝送するシステムで、2008年より研究開発を進められてきた。直接スペクトラム拡散(デジタル信号を広い帯域に拡散して送信すること)を用い人間にはほとんど聞こえないようにデータの伝送を行うことが可能なのが特徴。

スピーカーから出た短い情報符号(音響ID)を携帯端末のマイクで受信し、サーバーとの連携でURL情報に変換する仕組みを用いることで、ユーザーはスピーカーに近づくだけでクーポンを受け取ったり、eコマースのサイトにアクセスしてショッピングができるなどのサービスを受けたりすることができる。

・既存のスピーカー設備を利用することができる
・複数の受信機に同時にデータを配信(1対多配信)できる
・音量やスピーカーの指向性で到達範囲を制御することができる

これらのメリットを持つ音波を利用した情報伝送は、店舗や公共施設での利用、各種サイネージや音楽CDなどへの組み込みといった幅広い応用が期待されている。ヤマハでは、今回フジテレビにINFOSOUND技術の利用許諾を行うことで活用の場をさらに広げ、便利で快適な暮らしを実現することを目指すとしている。

また、同社はスマートフォンが急速に普及し生活に根付いていく中、さまざまな形のオンライン・オフライン連携サービスに対するニーズが高まっていくものと考え、フジテレビとの業務提携により、今後は両社の持つ技術ノウハウやプラットフォームを最大限活用し、新たなスマートフォン向けサービスを提供していくとしている。

今回発表された業務提携の内容は以下のとおり。

・INFOSOUNDを活用したスマートフォン、タブレット端末向けアプリケーションの共同開発
・INFOSOUNDを活用したその他の新規サービスの共同開発と事業化の検討

現時点では具体的な展開はないものの、非常にユニークな技術だけに今後どのようなサービス、アプリケーションが登場するか期待したい。

このほか、ヤマハではINFOSOUNDについて、人体に与える影響について昭和大学医学部第一解剖学の塩田清二教授、佐藤和恵客員教授と共同研究を行い、「通信に通常用いられる音量レベルにおいてINFOSOUND音響信号によるストレス上昇は認められない」ことを確認したとも発表している。

調査は、成人15名(20代~50代)、未成人18名(1才~10才)を対象とし、対象者へのINFOSOUND音響信号発信の前後で、対象者それぞれの唾液を採取し、ストレスマーカーとなる唾液成分(コルチゾール)の抗酸化測定を行った。その結果、「成人、未成人ともに、INFOSOUND音響信号に対するストレス反応は認められなかった」としている。

今回の調査の結果を受け、ヤマハでは安全に利用できる音響通信としての幅広いINFOSOUND導入を目指して進めていく。スマートフォンが急速に普及し生活に根付いていく中、高まるオンライン・オフライン連携サービスに対するニーズに応え、より便利で快適な暮らしを実現することを目指すとしている。

◆プレスリリース 『INFOSOUND(インフォサウンド)』を利用したスマートフォン向け新サービスの実現に向けてフジテレビとの業務提携に合意
◆プレスリリース 『INFOSOUND(インフォサウンド)』が人体に与えるストレス反応について 昭和大学医学部と共同研究
◆INFOSOUND
◆ヤマハ
◆BARKS 楽器チャンネル
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