新製品も多数登場!「新宿電子楽器祭SynthesizerFesta2012」レポート

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電子楽器を中心に音楽を楽しみ、創る、全ての人の祭典「新宿電子楽器祭SynthesizerFesta2012」が、10月6日、7日、東京都の芸能花伝舎にて開催された。

「SynthesizerFesta」は、日本シンセサイザー・プログラマー協会(JSPA)の主催により、電子楽器と音楽の普及を目的に2002年より開催されているイベント。11年目の今年は、「新宿電子楽器祭SynthesizerFesta2012」と題し、展示やセミナーなど盛りだくさんの内容で開催された。

会場は昨年と同じ西新宿の小学校跡を利用した研修施設「芸能花伝舎」。連休中の開催ということもあり、多くの来場者を集めた。本レポートでは6日の模様をお届けする。


▲会場は廃校を利用した研修施設「芸能花伝舎」。旧教室でセミナーや展示が行われる。入り口はまさに校門そのまま。

▲校庭では淀橋町会の協力により屋台で飲食販売が行われた。当日は天候もよく昼過ぎには多くの来場者(出演者も!)が屋外で昼食や休憩をとる姿が見られた。

■MIDI30周年記念特設会場

MIDI誕生30周年を記念した展示やセミナーが行われたのが今回のトピック。MIDI誕生以前から、誕生後に登場した象徴的な国産シンセサイザー、シーケンサーの展示をはじめ、特別記念セミナーや、モーガン・フィッシャーによる珍しい楽器を使った演奏を含むスペシャルレクチャーなどが人気を集めた。


▲「MIDI30周年記念特設会場」と名付けられた教室には、MIDI以前のものを含む歴史的なシンセ、シーケンサーがずらり。ただしタッチNG。ヤマハからはDX7、SY1、VP1、EOS B700、CS60などが展示。


▲ローランドのシンセJUPITER-6、JUNO-106、SH-1000、シーケンサーのMSQ-700やMC-8、コルグのminiKORG700、デルタ、MonoPoly、POLY-61、M1などが展示。写真を撮るシンセファンが多数。


▲「“BEFORE MIDI”モーガン・フィッシャー・スペシャルレクチャー」では、シンセ前夜の電気楽器、真空管シンセ、トイ楽器などレアな楽器が多数登場。フィッシャー氏が流暢な日本語による解説を交え実演。演奏後にはこれらに実際に触れられるという貴重な体験に観客も興奮。この後別会場で行われたライブも多くの来場者を集めた。

■ライブ&セミナー

ライブやセミナーは複数の教室、会場で並行して行われた。発売されたばかりの新製品や発売前の製品の解説、さらに発表前の製品の情報など、出展メーカーによるさまざまなセミナーが開催。MIDI30周年記念セミナーやスペシャル・ライブ、ニコニコ生放送の中継など、ここでしか見られないイベントが多数開催。時間が重なるセミナーもあり、どちらに参加するか迷った来場者も多かったようだ。


▲最も広いG2スタジオ最初のイベントは「MIDI30周年記念特別セミナー『MIDI誕生~現在、そして未来のMIDI』」。MIDI誕生前夜のエピソードに始まり、なぜ登場したのか、どう発展したかといった歴史がひもとかれた。

▲MIDI30周年特別セミナーの第2弾は「DAWマエストロMIDI検定1級」。MIDI検定1級課題曲を題材に、実際のギター演奏を交えつつ、MIDIデータによる演奏表現を解説。こちらも広いG2スタジオで立ち見が出る盛況となった。


▲当日一番最初のセミナー「ミュージッククリエイターのためのDAW入門」では「ミュージッククリエイターハンドブック」を教材に、ノウハウを伝授。午前の開催ながら予約でいっぱいになる人気。

▲ローランドから発売されたばかりの新音源INTEGRA-7の体験セミナーの講師は篠田元一氏。楽器のさまざまな奏法をリアルタイムで表現できるSuperNATURAL音源の魅力を伝える。


▲Arturiaのフル・アナログ・シンセMini Bruteの徹底解剖セミナー。氏家克典氏がアナログ・シンセの基本からレクチャー、最先端シンセならではのサウンド、機能を紹介。

▲今冬発売予定の「VOCALOID Editor for Cubase」の魅力がいちはやく確かめられるスペシャルセミナー。VOCALOIDとDAWのシームレスな制作環境に受講者は興味津々。


▲「ダンストラックかんたん制作術」ではACIDを使って、既存の曲をダンス向けにアレンジ。尺を調整したり、異なる曲をつないだり、ダンサー注目のワザを公開。

▲発表前のバージョン10を使った「Singer Song Writerスペシャルセミナー」ではインターネットの村上社長みずから収録プラグインやVOCALOIDTM3 EditorとのReWire接続など新機能を紹介。


▲アナログモジュラーシンセサイザーを紹介した福産起業によるショーケース。DOEPFHERのシンセA-100を用い、モジュラーケーブルの接続から音作りまでを実演。

▲「GAIAシンセサイザー サウンドメイクセミナー」は、受講者全員にローランドのシンセGAIA SH-01が割り当てられ、実際に触りながら音づくりを学べる贅沢なセミナー。


▲「松武秀樹と相沢舞の『テクノスクール』校外授業編」の生放送も会場から中継。松武・相沢にくわえ、氏家克典、斎藤久師、ゲストの土橋安騎夫など豪華なメンツが揃い、教室から溢れるほどの観客を集めた。出展社によるイチオシ製品のPRなどもあり、非常に濃い内容となった。

■メーカー出展ブース&クリエイターズサロン

メーカー出展ブースには、新製品をはじめ多くのシンセサイザー、DAW関連製品などの音楽制作ツールが揃う。実際に触って音を出せる状態での展示に多くの来場者が集まった。また、クリエイターズサロンでは学校、レーベル、手作りシンセやグッズなどがミニブースで出展。ほかの楽器系イベントとは一線を画す内容となっている。


▲ヤマハはVOCALOID Editor for Cubaseを大々的にフィーチャー、SteinbergのコントローラーCMCシリーズやオーディオインターフェースとともに展示。使い方を尋ねる人も多数。シンセではMOTIF XFやMOXシリーズをラインナップ。iPadによるコントロールや、PCによるエディットも試せる状態でスタンバイ。


▲ローランドは、フラッグシップシンセサイザーJUPITER-80&50や、強力な新音源INTEGRA-7、これらSuperNATURAL音源搭載機を自在に操れるキーボードコントローラーA-49、iPadにも対応するオーディオ・インターフェースDUO-CAPTURE EXなどを展示。R-MIX機能を搭載した新生SONAR X2や、電子ドラムV-Drumsも。


▲コルグは、kaossilator 2、mini kaoss pad 2、monotronなどのガジェット楽器から、iOSアプリ、限定カラーモデルのmicroKORGシリーズやmicroKEYシリーズ、ミュージックワークステーションKRONOS XやKROMEなどの新製品も多数ラインナップ。Propellerhead Reasonやnord、accessといったシンセも。


▲インターネットはVOCALOID製品ととも最新のSinger Song Writer 10をいちはやく展示。VOCALOID3 EditorとのReWire接続や、ボーカルのピッチやタイミングのズレを補正するボーカルエディタ(写真中)、リアルタイムのピッチ補正(右)など多くの注目機能を備える。


▲フックアップはArturiaのフル・アナログ・シンセMiniBruteやハードウェアシンセOrigin、ハイブリッドドラムマシンSPARK、Waldorfのシンセblofeldなど個性的なマシンを展示。


▲エムアイセブンジャパンは、アナログシンセの巨匠トム・オーバーハイムによる完全ハンドメイドのシンセサイザー・エキスパンダー・モジュールSEMの全シリーズを展示。


▲大阪のシンセメーカーREONはコンパクトシンセサイザーDRIFT BOXシリーズやモジュラーシンセサイザーなどを展示。センサーで手の位置を検出し、触らずにシンセを鳴らせるマシンも。


▲福産起業は、Dave Smith InstrumentsのシンセMopho X4やProphet'08、アナログリズムマシンTEMPEST、DOEPFERのA-100 ANALOG MODULAR SYSTEM、デジタルバージョンのMellotronなど、ハードシンセを多数展示。


▲エクシングでは、カラオケで楽器演奏ができるJOYSOUND F1を実演。画面にはコードの押さえ方を表示。ギターを接続できるサウンドエフェクターGB-1は、エフェクトがかけられ、2人同時プレイも可能。楽器を持ち込んでチャレンジしよう。


▲クリエイターズサロンではiOSアプリを発見。アールテクニカはiOSアプリを展示。耳コピを支援するmimiCopy(左)、MIDIデータの管理やMIDI機器のコントロールが可能なMidi Tool Box(中)、iPad用VJアプリCOLORCODE VJなどをハンズオン。また、TANSU MUSEUMは、松武秀樹が操るモジュラーアナログシンセサイザー、通称「箪笥」のミニチュア版iOSアプリTANSU Synthを紹介。


▲こちらもクリエイターズサロン。monotronやSX-150mk2用のMIDIインターフェースキット、手作りシンセやテクノLEDバッジなどを出展したのはbeatnic.jpと電子楽器博物館のブース(左)。アナログシンセSYSTEM Yの米本電音研究所(中)やペーパークラフトシンセを展示したSHIN-RYU(右)など連続参加のブースをはじめ、ユニークかつ多彩な展示が揃う。

◆新宿電子楽器祭 Synthesizer Festa 2012
◆JSPA
◆BARKS 楽器チャンネル
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