【独占スクープ】Westone1~4に代わり新イヤホンWシリーズ登場

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Westoneの未発表新イヤホンを抱えて来日を果たした、Westoneアジアパシフィック・セールスマネージャーのハンク・ネザートン氏にアプローチし、話を聞く機会を得た。10月26日(土)&27日(日)に開催となる<秋のヘッドフォン祭2013>で初お披露目となる最新イヤホンを、一足先にキャッチしたので、速報でお伝えしよう。

◆Wシリーズ画像

▲パッケージは全て同一サイズだが、写真をよく見るとW10とW20が細身の筐体で、W30とW40が一回り大きいことがわかる。
▲パッケージ裏にはフェイスプレートやMMCX、新しいケーブルのポイントが記載されている。
▲パッケージを開けると、2色のフェイスプレートが目に入る。ハードケースを開けると、その中にはもう一本サブとしてコントロール部分のないノーマルケーブルが同梱されている。
▲フェイスプレートは同梱される専用ドライバーで簡単に交換できる。変哲のないギミックだが、実際手にするとちょっと嬉しくなってテンションが上がる。
▲こちらはMMCX仕様となったカスタムIEMのサンプル。フェイスプレートのバリエーションも豊富で、宝石のように輝いていた。
▲旧2ピン仕様のWestone ES5と新MMCX仕様のES5。耳にかかる部分のしなやかさは明らかに新ケーブルのほうが上質だ。
▲出来上がったばかりの2013年最新カタログ。<秋のヘッドフォン祭2013>でゲットすべし。
今回発表されるのはWestoneのイヤホンのメインシリーズWestone1~4に取って代わる新シリーズWシリーズだ。現行商品のWestone1~4がそのままW10、W20、W30、W40というモデルにそれぞれがアップグレードする形で、最大の特徴は、一足先に登場したUM Pro10、UM Pro20、UM Pro30と同様、全てMMCXコネクタが採用された点だ。これで、全てのイヤホンがかつての2ピンコネクタからMMCXコネクタへ変更となった。

Wシリーズにはフェイスプレートと名付けられたパーツが付属しており、同梱のドライバーで黒と赤と青の3色計6枚を自由に差し替えることができる。表にはブランドロゴのWが裏側にはL、Rの印字があり、好みの色にするもよし、右だけ赤にして左右識別しやすくするもいい。

当然のようにカラーバリエーションも期待したいところだが、今後の展開としてはカラーを増やしフェイスプレートキットとしてアクセサリー販売のアイディアも視野にあるという。我々としても、外せるというだけで、そこをキャンパスとして自由に飾り表現する衝動が高まるというもの。スワロフスキーでの飾り付けやスタッズをぶっ立てたメタル仕様など夢は広がって楽しみだと伝えると、逆にいろんなアイディアや希望、ヒントをWestoneに教えて欲しいという。多くのユーザーの生の声を聞いて、是非商品化につなげたいと語ってくれた。「ゼブラでもミラーでも、提案してくれれば何でもできるよ」とはハンク氏の弁だ。

ちなみに、フェイスプレートで色を変えられるようなアイディアは、UM1で展開した6種類のカラーバリエーションが各国でも評判だったことに端を発しているという。何も複数買わなくても自由に色が変えられたらハッピーだというシンプルな発想のようだ。もちろん左右の視認性を上げる実用性向上にも有用だ。

今回W10からW40まで一気に4機種が同時発売となるが、ハウジングはW10とW20が同一、W30とW40が同一サイズで一回り大きくなっている。そのためフェイスプレートも大きさがW10&W20用とW30&W40用と2種類存在する。ちなみに、ハウジング自体はブラックで統一されておりサイズも2種類だけで、W10とW20、W30とW40に関しては、それぞれ見た目上の違いが全くない。型番も印字されていないので、並べるとどちらがW30でどちらがW40か完全に分からなくなるというファンキーな仕様となっている。音を聞いて判別すれば済むことだが、なんともアメリカンな男っぷりである。

サウンドに関しては、基本はWestone1~4をそのままWシリーズに移行させたもので基本的に変更はない。が、違ったシェルの中に収めて本来のサウンドを実現させるには、新たなシェルに最適化させるべくのチューニングは不可避であり、ものによってはクロスオーバーも変更されているという。設計に手が入ったと聞くとサウンドの変化が気になるところだが、全てはWestoneシリーズからのリファインとして施した処置と理解するのが良さそうだ。

なお、今回のWシリーズの登場により旧Westone1~4は、このままディスコンとなる。現在Westone社に残っている在庫がなくなり次第市場からは消えることとなる。ことWestone3やWestone4など、名機として世界中から熱い信頼と高い支持を得ているモデルなだけに、「ディスコンとなれば、今のうちにスペアを購入しておかないとヤバイ…と焦ってしまう」と訴えたが、ハンク氏は笑顔で「全く心配することなくWシリーズで満足できる。Westone1~3に関してはケーブルの交換もできなかったし、付属ケースもいいし、ファイスプレートも変えられる。Westoneシリーズと比べて悪いはずがないよ」と、さとすように微笑んだ。

パッケージには、コントローラー付きのケーブルがデフォルトでセットされ、フェイスプレートとスターチップ&フォームチップが各5ペアずつ、クリーニングツールが付属する。コンパクトながら丈夫で使いやすいキャリーケースも同梱となるが、なんとこの中には、コントローラーのないノーマル・ケーブルが別途収まっている。コントローラーを不要とするユーザーの声を受け決定した、スペアケーブルの同梱サービスだ。

価格はオープンプライスだが、おおよそW10:19,800円、W20:29,800円、W30:39,800円、W40:49,800円程度の市場価格になるものと思われる。

なお、MMCXコネクタは、WestoneのカスタムIEM各シリーズにも適用され、2013年11月1日の受け付け分からMMCXバージョンに変わっていくという。従来の2ピンコネクタを熱望する人に関しては、当面1~2ヵ月程度は特別な対応も視野にいれるものの、基本的には全てMMCXに統一されることとなる。逆に2ピン仕様で作ってしまったばかりのユーザーに対しては、有料にはなるものMMCXへのアップグレードサービスも用意するとのことだ。これまでの2ピンコネクタのケーブルの別売は今後6ヶ月程度の販売期間を経て、ディスコンとなる。

ハンク氏はすでに新仕様のES5を使用していた。新しいMMCX仕様のカスタムIEM使い心地はどうか?と質問すると、MMCXによることでの違いは特にないものの、耳にかかる部分のワイヤーがなくなり形状記憶のケーブルとなったため、しなやかでフィット感が向上し使いやすくなったという。またUM Proシリーズやこれから発売となるWシリーズのケーブルがそのまま使用できるため、カスタムIEMでも3ボタン&マイク付きのケーブルが使えるようになったと、利便性の向上をアピールしてくれた。なお彼のES5のフェイスプレートはリアルウッドで、今回新たに選択できるようになった新バリエーションとのこと。

最後に、「これだけ素晴らしいイヤホンを作り出すWestoneだけに、オーバーヘッド ヘッドホンの発表を待ち望んでいる潜在層は非常に多い。リリースするつもりはないのか?」と問い詰めたところ、ハンク氏は笑顔で、「Westoneの優れたサウンドをいろんなスタイルで聞いてもらいたいと常に願っているので、考えたい」と答えてくれた。具体的なスケジュールや詳細は一切未定ではあるものの、可能性はゼロではないかもしれない。

取材・文:BARKS編集長 烏丸哲也

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