<FRF'04>浴びせかけるフローでレッドマーキーが熱狂! ザ・ストリーツ

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ザ・ストリーツは「どこへ行こうとみんなが目にするもの、労働者階級からみたイギリス」といった意味で付けられた名前で、今年24歳のマイク・スキナーによる一人ユニット。ガラージから2ステップまで取り込んだサウンド、独特のフロー、リアルなリリックで人気を集めている。地元のクラブでプレイしているころ、ベースメント・ジャックスを発掘した元XL RecordsのA&Rに見出されデビュー。瞬く間に“路上の天才少年”“イギリスからエミネムへの回答”と絶賛され、NME誌の表紙すら飾るようになる。今年6月には2ndアルバム『ア・グランド・ドント・カム・フォー・フリー』をリリース。シングルとアルバムが同時に全英チャート1位を飾るなど、こちらも高い評価を得ている。この新作は私小説のようなリアルな歌詞で、行き場のない若者の閉塞感や何気ない日常の喜怒哀楽を描いてるので、僕はどちらかというとまったりとしたやや地味なライヴを想像していた。

しかし、深夜のレッドマーキーで繰り広げられたストリーツのライヴはまさにエンターテインメント・ショウだった。ロックのような音圧の高い生バンドのグルーヴに、やや甲高い声で普通のしゃべりに近い独特のフローを畳み掛けるように浴びせかけてくる。その様子は、比喩でなくストリートの“詩人”といった感じ。ぐいぐいと力押しをしてくるわけではない。が、彼のフローには、人をステージにぐいぐいと引き付けるマジックがあった。しっとり切ない「DRY YOUR EYES」からキャッチーでアップビートな「FIT BUT YOU KNOW IT」への流れはライヴの見せ場だった。オーディエンスの様子を見ても、フジで始めて彼を知ったという人たちを確実にファンにしているようだった。“リアルな言葉”としてUKで支持を得ている彼だが、日本の若者からも共感を集めていたのは間違いない。そんな彼のインタヴュー、アルバム全曲試聴、ミュージック・ビデオを集めたザ・ストリーツ特集はこちら(https://www.barks.jp/feature/?id=1000002185)。

<セットリスト>
7/31@RED MARQUEE

TURN THE PAGE
SAME OLD THING
LET'S PUSH THINGS FORWARD
BLINDED BY THE LIGHTS
HAS IT COME TO THIS
IT'S TOO LATE
TOO MUCH BRANDY
DRY YOUR EYES
FIT BUT YOU KNOW IT
WEAK BECOME HEROES
DON'T MUG YOUR SELF

(suepyon)
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