約5ヶ月ぶりに“動く・歌う、生・柴田淳”を確認!!

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<第2回 神戸ハーバーランド街角音楽祭>ライヴレポート

久しぶりに涙が出た。彼女の歌声を生で聴くのは4/29のヴィーナスフォートでのイベント以来だ。やはり柴田淳の声はいい。自然に心の隙間に心地よく入ってくる。何の拒否反応も無い。ただそこにある柴田淳の歌声に私の心は涙で応えた……。

この日は、神戸の町が様々な会場から流れてくる音楽で溢れている日だった。その中でも、音楽ファンの耳と視線を一点に集めていたのは柴田淳だった。5ヶ月ぶりのイベントライブで彼女がどんなパフォーマンスを見せるのかは神戸の音楽ファンにとって注目の的だったのだ。

ステージ上にいるのはキーボード奏者とギター奏者。柴田淳本人が不在のまま演奏はスタート。「なんかいいことないかな」のイントロにのせ、やや緊張の面持ちで本人が登場。大きく息を吸い込み歌いだす彼女の声に、“あぁ、みんなこの声を待ってたんだぁ…”と思った。そんな思いの中、ステージでは2曲目の「夢」へと進んでいった。この曲はこれまでのイベントではほとんど聴いたことがない曲だからキチンと観て聴いて、目と耳に焼き付けておかなければという会場の雰囲気を感じた。

そして、この日メンバー紹介以外の唯一のMCをはさんで3曲目の「未成年」が始まる。この曲は柴田淳が“とても大切な曲”と自ら各所で発言しているほどで、子供から親への“愛”を歌ったメッセージソングである。会場をよく見ると、日曜日ということもあって家族連れの姿が目立ったが、そんな家族連れにこの曲はどのように聞こえたのだろうか? 4曲目は「隣の部屋」。小気味良い3拍子のリズムに乗って<あなたに逢いたくて 今日もまた来てしまいました>と彼女は歌うけど、それはこの会場にいるみんなが「“あなたに逢いたくて”来てるんですよ…」と教えてあげたくなるような、歌詞の文脈を全く無視した感覚を持たされた。メンバー紹介の短いMCを挟んでラストの曲「それでも来た道」が流れてくる。随所で彼女が口にする“マイペースで…”という言葉はのんびり、ゆっくりという意味ではない。久しぶりのライヴでこの曲をラストナンバーに選んだ彼女の心の内側を見通せるわけではないが、今まで歩いてきた道も、これから歩いていく道も覚悟の上、という意思を強く感じさせるマイペースで、という歌声だった。

……とここまで綴ってみたものの、この日のライヴの風景はなぜか鮮明に思い出せない。全編なんとなくモヤがかかったような映像が私の目には焼き付いている。今思い出してみると、1曲目の歌い出しからずっと涙目でステージを見ていたと思う。

最近、涙腺が弛んで…などと言い訳する気は全く無い。柴田淳が持つ声、音楽性、詞の世界、どれをとっても私の心の琴線に触れる。終演後の会場でハンカチを目にあてている女性ファンを見かけた。そう、「やはり柴田淳は良い」のである。次に彼女の生の歌声を聴くことができるのはいつだろうと考えながら会場を後にした。

文●Gatcha-ping


※柴田淳、11/25にシングルリリース決定!
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