モダンでヘヴィに進化したインペリテリ、スペシャル・インタヴュー

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元7月初旬に来日し、名古屋、大阪、川崎、東京でライヴを敢行したIMPELLITTERI。
そのラウドでヘヴィなサウンドで、様式美系オールドファンの度肝を抜き、
モダンなセンスが加わったことにで、若いファンをも興奮の坩堝に叩き込んだ。
彼が探る20世紀のヘヴィメタルの姿を垣間見せたアルバム『PEDAL TO THE METAL』も好調な彼に
夏のライヴや新作について話を訊いた

超絶テクを誇る彼の指先から迸るロックの心を感じてほしい。


クリスからのメッセージ映像

「十戒」記者会見映像へ!
▲上記画像を


最新アルバム 3曲試聴あり


『PEDAL TO THE METAL』

発売中
VICP-62631 \2,520(tax in)


01.THE WRITINGS ON THE WALL
02.CRUSHING DAZE
03.DESTRUCTION
04.DANCE WITH THE DEVIL
05.HURRICANE
06.JUDGEMENT DAY
07.THE ICEMAN COMETH
08.PUNK
09.PROPAGANDA MIND
10.STAY TONIGHT
11.THE FALL OF TITUS(AMERICAN METAL vs. SWEDISH METAL)

――7/10のクラブチッタ川崎でのライヴでの音の大きさはケタ外れだったね。いつもあんなカンジ?

クリス・インペリテリ(以下、クリス):最低であれくらいの音量だね。もっと会場が広ければ、音量ももっと大きくなるよ。オレは速弾き系のテクニカルなギタリストだから、それをちゃんと聴いてもらうために、マーシャルはいつもフル10の全開で、それをサウンドの人ががっちりと出してくれるんだ。でも、そんなにデカかった?

――夏のライヴはニューアルバムからの曲は控えめで、『システムX』からの曲が多かったりして。このへんのバランスは難しかった?

クリス:やっぱり新旧のファンを両方とも満足させたいからね。もちろん、ニューアルバムをプロモーションするライヴだから『PEDAL TO THE METAL』の曲は演らなきゃいけないから「THE ICEMAN COMETH」や「DESTRUCTION」というパワフルな新曲を演奏したし、もう少し前のアルバム『SCREAMING SYMPHONY』から「FATHER FORGIVE THEM」や「COUNTDOWN TO THE REVOLUTION」も演った。また、もっと前のMTV世代のためには「STAND IN LINE」や「SINCE YOU BEEN GONE」もウケルからね。いろいろな時期のオレを聴いてもらうために、こういう風な選曲になったんだ。

――ニューアルバムの、インペリテリらしい「THE WRITINGS ON THE WALL」や「THE FALL OF TITUS」を演奏しなかったんで、ライヴではクラシカルな面を出さないようにしてるのかなと心配してたんだ。

クリス:それは確かにあるね。でも、「THE FALL OF TITUS」は、In Flamesなんかをプロデュースしているフレデリック・ノードストロームへのトリビュートなんだ。北欧メタルへのトリビュートといっても過言ではないだろうね。あと「DESTRUCTION」はオジー・オズボーンイングヴェイ・マルムスティーンを足して2で割ったカンジのクラシカルなヘヴィメタルだ。「DANCE WITH THE DEVIL」も、いかにもインペリテリといった曲だろ。オレの希望としては昔のファンをキープしつつ新しいファンも取り込みたい。両方を満足させるのはすごく難しいんだよね。

――アルバムもライヴもそうだけど、カーティス・スケルトン(Vo)の存在が大きい。彼との出会いとコンビネーションについて教えてもらえる?

クリス:ドラムスのグレンが、カーティスの以前いたSPEAK NO EVILというバンドのライヴを観ていて、オレたちのバンドからロブ・ロックが抜けて新しいヴォーカリストを探さなきゃいけないときに、グレンがカーティスのことを思い出したんだ。それでカーティスの音を聴いたらオレも気に入っちゃって、すぐにオレの家に呼んで曲作りを始めたわけさ。オレが一番嬉しかったのは、カーティスがオレと世代的に近いってことなんだ。これまでオレが組んできたシンガーって、かなり年上ばかりだったからね。そういう意味でもやりやすい。歌詞はレコーディングを進めながら作っていったんだけど、それもすごく良い感じのものができたんだよ。



――ライヴでの絡みもうまくいってる?

クリス:カーティスとしては自分が入ってからの「DESTRUCTION」や「DANCE WITH THE DEVIL」なんかの曲が歌いやすいだろうけど、昔の曲にも情熱を持って接してくれてる。でもグラハム・ボネットやロブ・ロックといった、カーティスとはまったくタイプの違う人の曲を歌いこなすのは大変だと思うよ。カーティスとのライヴは今回の日本公演が初めてだったんだ。でもすごくいいカンジだったんで、しばらくはこれで行くよ。

――『PEDAL TO THE METAL』はいろいろなロックの要素が入り混じっているけど、クラシカルな面は抑えてヘヴィさを追求してるように感じる。

クリス:まさにその通りなんだ。「THE WRITINGS ON THE WALL」や「DESTRUCTION」は相変わらずクラシカルなスタイルなんだけど、やっぱりKornやPanteraを聴いている新しいファンにも聴いてもらいたかった。彼らはクラシカル・ロックなんて聴かないからね。だからヘヴィさを前面に出して、そしてクラシカルなものにも慣れてもらうために、ギターソロはクラシカル・フレーバーたっぷりの弾きまくりにしたんだ。

――「THE ICEMAN COMETH」というのは、クイーンとデスが合体したようなとても面白い曲だね。こういうアイデアは?

クリス:どこからというんじゃなくて、自然にでき上がったんだ。チューニングを下げたところなんかはKornからの影響もあるんだろうけど、そのほかはオレの持ってるいろいろな要素が出てきたんだろうね。このアルバムはもうすぐヨーロッパとアメリカで発売されるんだけど、曲順が違ってて、この曲がオープニングにくるんだ。

――クラシカル・スピード・メタルへの決別じゃないということで安心したよ。昔の方が尖がってたね。今のほうが自然体に見える。

クリス:そう。オレも今の方がパワーがある気がする。クルマを運転するときも、このアルバムを聴きながらだと、うねるような音が聞こえてきて力があふれてくるんだよ。

――今後のスケジュールは?

クリス:ヨーロッパのSPBというレーベルと正式に契約して、今後はこのレーベルからヨーロッパとアメリカでアルバムが出ることになる。それからそれに伴うツアーが両方で始まる。とにかくコンサートをいっぱいやって、新しいファンに見てもらいたいね。


取材・文●森本 智
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