【1メガでお願いします!】特集~無理はやめて、あくまでも自然体に。でもライヴには緊張感

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ZEPPET STORE――1/21で新宿ロフトのライヴは2005年一発目のライヴでしたが、終えてみてどんな感想を持ちました?

木村世治(Vo&G/以下、木村):旧作からも何曲かやったのが新鮮でしたね。ファンは喜んでくれたと思うんですけど、あまりにも久々なので本人はちょっと緊張しながらやってるところもあり(笑)。でも、おかげですごく締まった内容になったと思うんですよね。去年出したアルバム(『BLACK BERRY BED』)が全曲英詞ということもあって、最近のライヴでは自然発生的に英語の曲がほとんどのセット・リストになってたんですよ。この間のロフトも気がついたら全曲英詞でしたね。

――そうですね。今回のセット・リストはどのような経緯で決まったんですか?

木村:去年秋からのツアーを終えて、イベントとかにちょこちょこ出てたんだけど、どうしても似通った選曲になってしまってたんですね。でも、今回はワンマン並みの曲数が演奏できるということで、その流れを崩してみたら絶対刺激的だよねという話をしてて、それぞれがソング・リストを出したんですよ。ところが見事に4人ともバラバラなものを出してきて(笑)。それを集めてリーダーの中村が元になるものを作り、スタジオでまた考え直してね。入り方も今までと違うものにしようと思ったり。

――結果的に「FLAMING ACTION」でライヴは始まりましたが、これも新鮮でしたよ。

木村:そう。この前のツアーでは最後の曲だったから、客も“おぉ!”って顔してましたよ(笑)。当初はものすごく緩い曲から始まって、徐々に盛り上げていこうかという選曲だったんだけど、先に出演するfadeが結構ガーンと盛り上げるので、もうちょっと上げたほうがいいんじゃないかと(笑)。

――新作の最後に収録された楽曲ですが、次へのつながりを感じさせる雰囲気があることを考えると、今回の選曲も納得ですよね。

木村:うん、アルバムの曲順を決めたときもそういう意図があったんですよ。でも、意外と最後に入れると、もう一回リピートして戻ってこれるような感じがあってね。

――ところで、英詞でまとめられた『BLACK BERRY BED』は活動初期を思わせますよね。

木村:自然な流れだったんですよ。その前の『SLICK』(2003年)が、初めて英語と日本語の混合のアルバムだったんだけど、すごくしっくりきたというかね。その懐かしい感じを、2000年になってからフル・アルバムで出したらどんな感じかなと。中村かなぁ、誰かがポロッと言ったんですよ。“次は英語でやろっか”なんて。それにみんなが同調して盛り上がって。刺激的でよかったですよ。

――発表後にツアーを廻ってみた実感は?

木村:すごくファンに救いをもらったというかね。英語だからとか日本語だからという差別が全然なくて、どの曲もしっかり歌を覚えてくる。歌ってる姿を見ると嬉しいなと思いますよ。今は日本語ロックが熱くて、強烈なメッセージを放つ時代にあえて逆行するような道だけど(笑)、それを理解してくれる人があれだけ来てくれるのは励みになったし。バンドとしても、メンバーそれぞれのスタイルが安定してきたんじゃないかな。デビューした頃は、周りのスピードが速くて、知らぬ間に動いていることがたくさんあった。追い付いていくのが大変だったけど、それを7~8年もやってくるとペースもわかってきて、音楽で無理をすることはやめて、あくまでも自然体でいこうと。でも、今回のライヴもそうだけど、緊張感は変わらずにありますよ。

――ZEPPET STOREがライヴをするうえで、最も大切にしていることはと聞かれたら?

木村:難しい質問ですね。ある程度の昂揚感が得られるような、起承転結はすごく大事にしているつもりです。ただ、自分たちがいかに楽しめるかという、今回みたいなパターンがここ近年は多くてね。自然にその楽しい雰囲気がお客さんにも伝わるのかなと思ってるんですよ。以前のほうが“Show”だったような気がしますね。今年はできるだけ地方にも行きたいなと考えてます。ドラマのタイアップがついた曲やメロウなバラードだけでイメージが出来上がっちゃってる人もいると思うんです。でも、実際にライヴに来ると“あら、びっくり”みたいなノリがあると思うんですよ。昔からこのスタイルは続けているけど、日本語でも英語でも熱いZEPPET STOREを多くの人に見せたいですね。

取材・文/土屋京輔

fadeライヴレポ
~ZEPPET STOREと同日にロフトでライヴを行なったfadeのライヴレポお届け!


ライヴ・ハウスに足繁く通う人であれば、目の前で溌剌としたパフォーマンスを展開する未知のバンドに、いつの間にか引き込まれてしまった体験が一度や二度はあるだろう。この日の新宿ロフトに登場したfadeは、まさにそういった魅力を発散していた。

彼らは前身バンドを経て、2001年11月に現在のラインナップとなった5人組。ポール・リード・スミス製のギターを手にしていると言えば、すぐさま音楽性が思い浮かぶかもしれないが、期待通りにキャッチーなメロディを湛えた今様のヘヴィ・ロックを次々と繰り出していく。

開演当初は硬さも見られたものの、セットが進むにつれて、本領発揮とばかりにアクティヴなステージで初見のオーディエンスを惹き付けていった。3月23日にはミニ・アルバム『A Moment of Truth』をリリース。この作品の仕上がりもポテンシャルの高さを体現しており、飛躍に向けての力強い布石となりそうだ。今後の動向に要注目である。

※fadeのライヴ映像は、後日LOFT LIVE LINEでアップ予定です!

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