奇才モーリス・フルトンが新作をリリース!

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テクノやハウスといったクラブ・ミュージック好きの方なら、一度はその名前を聞いたことがあるであろうモーリス・フルトン。彼の作品は、WARP、SSR、DISCFUNCTION、NUPHONIC、TRANSFUSIONなど、主要なレーベルから、BOOF、LADYVIPB、EDDIE&THE EGGS、SYCLOPSといったさまざまな名義を使い分けてリリースされている。また、昨年リリースされ、話題となったMU(実はモーリスの奥様)や、!!!(チック・チック・チック)のプロデュース・ワーク、ジミー・テナーとの競作などでも知られているが、実際の彼の作品をよく知る人間というのは、実はそれほど多くない。活動歴も長く、作品の評価も高いが、彼自身の評価/知名度は、それに見合ったものではない。

そんな彼がBOOF名義で新作『A Soft Kiss By A Rose』を5月27日にリリースする。今回の作品は、さまざまなレーベルからさまざまなタイプの作品をリリースしてきた彼だけあって、ハウス、テクノ、ガラージ、ジャズなどなど、一口では説明することのできない、非常にディープで美しいエレクトロニック・ミュージックに仕上がっている。そして、この作品のもう1つの特長は、ブラック・ミュージック特有のファンクネスだ。どの曲にも、粘りつくような黒さが見え隠れする。そして、その二つに要素が絶妙な配合でミックスされた時、聴く者の身体を揺らし、そして虜にしてしまうのだ。

これまで、決してその実力に見合った評価を受けてきたとは言いがたいモーリス・フルトン。この作品の持つ確かなクオリティーは、これまで黙殺され続けた音楽シーンへの回答なのかもしれない。そして、このアルバム『A Soft Kiss By A Rose』を機に、彼は正当な評価を受けるべく素晴らしいアーティストだ。本物のエレクトリック・ミュージックを求めている方には、是非とも手にとってもらいたい作品である。
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