<Glastonbury '05>1日目レポート、豪雨と雷で波乱の幕開け

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誰しも死ぬまでに行っておきたい場所があるだろう。私にとってそれはまさしくグラストンベリー・フェスティヴァル、しかし悪名高き「雨と泥」にいまいち躊躇してはや10余年。だが、来年は開催されないこと、メンツがすさまじいこと(ホワイト・ストライプスはしばらく日本で見れそうになく、ベイビー・シャンブルズやブリティッシュ・シー・パワーら愛するバンドたちの来日予定もしばらくない)、尊敬するジョン・ピール氏の名を冠したステージが今年からできること(合掌)などもあり、今年はまずチケットを確保した。が、まさかブリストルのホテルで初日の朝を迎えたとき、あれほどの豪雨と雷に見舞われることになるとは……。

いやはや、英国人の「物事に動じない美徳」と「ジョークを解する国民性」があればこそ、この泥地獄が素晴らしきロック・フェスとして成立するのだろう。だって浮いてたもん、テント。トイレも浮かんでる。通路であるべき場所が池になっているために、そこかしこで人波が大渋滞。持参した長靴が役に立ったものの、この洪水状態が乾くことも見込めぬ曇天状態だ。とりあえずガソリン(=酒)を求めてさまようことに。それにしても、広い。東京ドームが何個入るのか。これが一人の物好きなオッサンの私有地なのだから、スゴい。

とりあえずOther Stage(二番目に大きなステージ)まで歩く。夢にまで見たグラスト、しかし泥に足をとられてキツすぎる。これは何かの罰ゲームなのだろうか。しかもOther Stageはフジのグリーン・ステージ並みの広さながら、一帯は湖状態。気が滅入るので湖を見なかったことにする。近くのBarでガソリンを確保し、飲む。飲んで飲んで飲む。

給油してようやく正気になった私、あまりの辛さで早くもいろんなアクトを見逃してることに気づくが……気にしないーっと。まずは16時にThe Guardian Loungeで予定されているBrakesに向かおう。だが、だだっ広いのに加え泥水ゆえの渋滞。着いた頃には残り3曲を残すのみだった。このBrakesはブリティッシュ・シー・パワーのイーモン(Key)がフロントマン。イーモンの雄姿がちょっとでも見れてよかったわあと胸をなでおろしていると、会場にはBSPのハミルトン(B)が。やばい私BSPのTシャツ着てるよ恥ずかしいよ、と思っているうちに向こうも気づき、すぐに他のメンバーのいるところに連れて行ってくれ、しばし旧交を温める。それにしてもこの人たちは昨年のフジでも会場内をウロウロしていたが、最新作は全英20位以内に入った人気者なのにグラストでも観客席で見てるとは。偉い。ヤン(Vo)に「俺ら24時10分前にLeftfield Stageだから」と教えてもらうが……ええーっ、ホワイト・ストライプスとがっつりカブってる! 人生最大の選択である。

とりあえず彼らと別れ、ストライプスまでは体力の消耗を防ぐためOther Stageに陣取ることに。まずジ・アザーズ。ドミニク(Vo)の垂直飛びの高いこと高いこと。続くベイビー・シャンブルズは意を決して前方に向かうことに。久々に見るピート・ドハーティの話は別で触れよう。そしてブロック・パーティー。UKでの人気の高さを物語るように、どの曲でも観客がすさまじく踊り狂い、オケレケも見事に煽ってみせる。それにしてもラッセルのギターは超上手すぎで、泥疲れも癒された。続くロイクソップは、裏のPyramid Stage(最大のステージ)がキラーズだったせいで観客の入りはイマイチながら、アルバムで歌ってたゲスト嬢も登場して沸かせる。その頃には会場もほんのり暗くなった。英国人の兄さんが「ファットボーイ・スリムのときにかけてね」と配っていた紙メガネをもらう。メガネ横にはグラストと並びフジの日程が印刷され、それをかけると……うわあ☆ 何が見えるかはフジをお楽しみに。そして23時、泥水の中ホワイト・ストライプスを見にPyramid Stageへ。ごめんねごめんね見れなくてごめんねBSP……。

文●妹沢奈美

BARKSグラストンベリー・フェスティヴァル特集
https://www.barks.jp/feature/?id=1000008759
BAKRS夏フェス特集2005
https://www.barks.jp/feature/?id=1000010016
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