sacra、スペシャルな一夜のライヴは、5曲で本編終了!?

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「夏休み“でら”ックス ~一夜かぎりのつくつくぼうし」――と題されたsacraのライヴはまさにタイトル通り、スペシャルな一夜となった。夏らしく浴衣姿の女の子もチラホラ見えた恵比寿リキッドルームだ。

スタイリッシュなスーツでビシッときめたメンバーがステージに登場し、美しいピアノのイントロに導かれて1曲目の「かげぼうし」が始まった。木谷雅(Vo&G)、加藤拓也(G)、足土貴英(B)の他にサポートメンバー2人(DrとKey)、さらにストリングス奏者4名を従えての堂々としたオープニング。彼らの奏でるバンドサウンドと弦楽器の美しい調べが溶け合い、心地よい空間を演出している。そして2曲を歌い終えたところで一言。「疲れてる心や夏バテしてるカラダを休めながら聴いてください」。こんな優しい言葉で語られるMCも彼らの魅力なのだと思う。ステージの上から1人1人の胸に届くように語りかけるヴォーカル、歌に合わせて時折口ずさみながら楽しそうに演奏する姿が微笑ましい楽器陣、そしてsacraの楽曲を愛して止まないオーディエンスに支えられて、「Platonic love」や「イエスタデイ」といった珠玉のラヴソングたちが彩り豊かに場内を包み込んでいく……。

ところが、この日のライヴはファンもあっと驚く意外な展開が待っていた。5曲を歌い終えたところで、こんなコメントが。「本編はここで終わりです。あとはアンコールなんで」。――えっ、5曲で終わり?? もうアンコール??? そんなふうに頭の中が?マークでいっぱいのファンを安心させるように、しばらくしてメンバーが登場。Tシャツにジーンズというバンドマンらしい姿に衣装チェンジし、「lonely vacation」からロック・モードへ突入! 9/7に発売予定の2ndアルバムからの楽曲も多数披露し、新作への期待感も煽りながらライヴはテンポ良く進んでいく。そして場内が大合唱となった「interval」、力強いヴォーカルが印象的な「アンバランス」で本編は一旦終了。

今度こそ正真正銘の(!?)アンコールが始まった。「愛の翼」、「君がいる場所」を噛みしめるように歌い、完全燃焼。最後には、サポートも含むメンバー全員がステージの前へ出てきて、手をつなぎながら誇らし気に上空へ掲げてみせた。リキッドルームは屋内ステージだけど、彼らがかざした手の上には満天の星空が広がっているような……そんな清涼感あふれるライヴを見せてくれたsacra。デビュー当初から彼らを応援している人はもちろん、まだsacraの音楽に触れたことがない人はぜひ、9/7に発売されるニューアルバム『君がいる場所』を聴いてみてほしい。年齢や性別に関係なく共感できる想いがsacraの創るラヴソングには、たくさん詰まっているから。

文●水越真弓

<sacraセットリスト>
2004年7月30日(土)恵比寿リキッドルーム
01.かげぼうし
02.ひとつ星
03.Platonic love
04.あたりまえだと思ってるもの
05.イエスタデイ

06.lonely vacation
07.identity
08.最終ベル
09.Look at me Dad
10.夏の幻
11.ニライカナイ
12.ふらりふわり
13.パラパラ
14.interval
15.アンバランス

<アンコール>
01.愛の翼
02.君がいる場所
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