<FRF'05>ザ・ゴー!チーム、オモチャ箱状態の理屈抜きの楽しさ

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今のイギリスの、どこを探したってこんなハッピーでファニーでキッチュなグループ、そうそういるものではない。ニュー・ウェイヴ・ブーム? ガレージ・ロック・ブーム? パンク再評価? それがどうした。音楽はもっと楽しくなきゃ。みんな頭でっかちに考えすぎ! このザ・ゴー!チームというバンドが伝えてくれるものは、そんな享楽性スレスレのエンターテイメント至上主義ではないかと思う。

おそらく、今年のフジロックに出演したイギリスの新人バンドの中でも最も知名度が低かっただろうそんなザ・ゴー!チームだが、昨年発表されたファースト・アルバム『サンダー、ライトニング、ストライク』は本国の音楽誌で軒並み高く評価された1枚。そんな評判を聞きつけてか、背中に“THE”“GO”“TEAM”と文字をあしらったTシャツを着た3人組や、イングランド国旗を振りかざす者など熱心なファンが意外に多く集まり、約1時間弱のステージはさながらオープンエア・パーティーのようになった。

ステージの中心になっていたのは黒人女性ヴォーカル。アッパーでフレンドリーな雰囲気で、女性ファンと男性ファンそれぞれにコール&レスポンスをはたらきかけパーティーへの“参加”をうながす。演奏はあくまで生を基調とした躍動感に満ちたものだが、アルバム同様ホーンなどは打ち込みを使用しており、チープで遊び心あふれる面白さもわすれていない。おまけに基本はダンス・ミュージックであろうとしているからか、たまたま通りがかった人たちもついつい体を動かしていたようだし、最初はそのB級っぽさに所在なさげにしていた人たちも次第に引き込まれていったようだ。後半になるとドラムを担当する日本人女性(!)がフロントまで出てきてメンバーの感謝の気持ちを日本語で代弁したり、その彼女がマイクの前で素朴な歌を聴かせたりとさらにめまぐるしく展開。でも、整理されていないオモチャ箱状態のような理屈抜きの楽しさでいっぱいのステージだった。

取材・文●岡村詩野

2005/7/31 WHITE STAGE

Intro/Panther Dash
We Just Won’t Be Defeated
Huddle Formation
Everyone’s a VIP to Someone
The Power Is On
Junior Kickstart
Hold Yr Terror Close
Bottle Rocket
Untitled
Ladyflash

BARKS夏フェス特集2005
https://www.barks.jp/feature/?id=1000010016
FUJI ROCK FESTIVAL '05特集
https://www.barks.jp/feature/?id=1000001735
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