フィンランド発、ヨーロッパを席捲するH.I.M.、“ラヴ・メタル”な、ヴィレ・ヴァロを直撃!

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ダーク・ライト

WPCR-12119 ¥1,980(tax in)
ワーナーミュージック・ジャパン
――まずはSUMMER SONIC 05に出演を果たした感想を聞かせてください。

ヴィレ・ヴァロ(以下:ヴィレ):エキサイティング! 日本のオーディエンスのことは、ハノイ・ロックスのメンバーからすごく熱狂的だっていう話を聞いていたから、日本行きが楽しみでね。こうしてやっと来ることができて、うれしく思うよ。ウン!(笑)

――ハノイとお友達なんですか!?

ヴィレ:うんうん。アンディー(・マッコイ)やマイケル(・モンロー)には仲良くしてもらってるよ。同じ国の出身ということで、同じ感性や文化を背負って共にバンド活動を続けていけてるっていうのは、誇りに思えるよね。

――それは素晴らしいですよね。さて、今回は日本のオーディエンスと初対面となりましたが、どんな手応えを得ましたか?

ヴィレ:コンディションについて言うと、日本に着いてからずっと時差ボケが続いていた状態だった。フィンランド時間に置き換えると朝の8時にステージに立っていた感覚なんだけど、いい反応が返ってきたと思う。僕たちのことを知らない人がたくさんいたと思うけど、H.I.M.を知ってもらういい機会になったと思う。次の単独公演につなげていけるんじゃないかな。

――ライヴを見て思ったんですが、ステージのレイアウトが独特ですよね。ヴォーカルの後ろには、普通ならドラムセットが置かれていることが多いですけど、H.I.M.の場合はあなたの後ろにハートグラムのフラッグが鎮座していて。

ヴィレ:それは、なぜかと?(笑) 単純な話で、オーディエンスのみんなに、すべてのプレイヤーが見えるようにしたいから。あとは、上から5人を見てみると、ちょうどシンボルマークを描くような配置にもなっているんだけどね。

――なるほど~。ちなみにH.I.M.の音楽について聞かせてください。写真だけの情報だと、じつにアウトサイダー的な、ヘヴィーな音を彷彿させますよね。でも実際のみなさんは、荒ぶるでもなく独特の落ち着きがあって。ギャップを感じる人って多いと思うんですが、あのサウンドはどうやって生まれるんですか?

ヴィレ:基本的にH.I.M.のサウンドは、各自が異なってるからこそ成り立つというか、それぞれが自分の好きなものから受けた影響をぶつけ合うバンド。だからみんなでマスクを被ったりすることもないし(笑)、あくまでも普段通りの自分でいることがベースかな。メンバーの好みは音楽も映画も見事にバラバラなんだけど、その違いを尊重し合いつつ、ブレンドしていくというか。

――違いを楽しみながら磨き合う。そんな気運に満ちているんですか?


ヴィレ・ヴァロのビデオ・メッセージはこちら

ヴィレ:それは大切だね。でも、互いに楽しみながら成長する部分もあれば、バンドの中でサボりそうなヤツがいたら一喝する厳しさも併せ持っているつもり。音楽的な違いで言えば、たとえばドラムのガスはメタルが大好きでクラシックが大嫌い。キーボードのエマーソンはクラシックが好きでメタルが大嫌い。僕らは日常的な会話のレヴェルで好きな音楽や嫌いな音楽について話すし、時として議論にもなるんだけれど、それでも最終的には仲良く、バンドとして成立できているっていうのが大事なんだと思うな。これからもそうありたいしね。

――さて、H.I.M.の音楽は、“ラヴメタル”と紹介されることが多いですが、実際“ラヴメタル”の効能というか、特徴はどのあたりでしょうか?

ヴィレ:H.I.M.のライヴを見に来るお客さんって、ロック系もいればゴシック系、メタル好きもいる。なおかつ男女比はほぼ5割。年齢も性別も関係なく、いろんなジャンルの人たちがひとつの場所に集まって僕たちの音楽を聴いてくれるんだ。それを想像してもらえば、答えになるんじゃないかなと思うんだけど。

――曲の幅も広いから、いろんな入り口があるんでしょうね。

ヴィレ:ドウモアリガト! でもこのラヴメタルの世界、入るのは簡単だけど、一度入ったら二度と出られないようになっているから注意してね(笑)。

――わかりました(笑)。さて、アルバム『ダーク・ライト』を聴かせてもらったのですが、全体から、独特のバランスを感じたんですよ。それは歌詞における「静と動」的なコントラストであったり、「美しくて暗い」といったニュアンス的な対比であったり。

ヴィレ:「ダーク/ライト」、「ラヴ/メタル」も?

――そうなりますね(笑)。

ヴィレ:極端な物言いになるけれど、人間なんて、所詮はみんな躁鬱病なんじゃないかって思ってる。ある種のレヴェルの差こそあれ、片方だけの人なんていない。いい面と悪い面、両方のバランスを保っているからこそ生きていけるっていうか。それを失おうものなら、もう涅槃だろうが天国だろうが、そういうところに行くしかないとさえ思えるよ。それくらい、人間というものはコントラストの中で生きているのが自然だと思うんだ。

――ちなみに、曲に描かれている歌の世界というのは、日常の経験などから着想を得ているんでしょうか?

ヴィレ:基本的にはね。自分の周りのリアルなこと……たとえば友達だったり、テレビを見て感じることだったり、ヘンな体験をしたとき。今日のことで言うと朝に地震があったこととかね。そういう日々の体験を通じて生まれたエモーションを、紙にはき出す作業っていうのが、歌詞を創り出す源になってるんだ。


<SUMMER SONIC 2005>
H.I.M.、笑顔のカリスマ、ヴィレ・ヴァロがマウンテンステージに降臨!

――なるほど。さて、いよいよ日本でH.I.M.のアルバム『ダーク・ライト』がリリースとなります。タイミング的には、オリジナルアルバムを4枚と、それまでの活動を総括したベストアルバムを発表した後の第一弾ということで、どこか区切りというか、インターバル的な時期なのかなと思ったりするのですが。

ヴィレ:僕たちはいつも、一曲ごと、ライヴごと、アルバムごとに新しいチャプターを迎えると思っているんだ。それぞれに意味があると思うからね。もちろん今回は、ワールド・ワイドなリリースでもあるし、これまでにたまっていたホコリをはらって、新しくなるような感覚がないわけではないんだけど。

――あえてこの時期に何かを位置づけるような意図はないと?

ヴィレ:僕たちはこれまで、ヨーロッパで活動してきたわけだけど、ヨーロッパといえども、広いんだよね。各国をくまなく回っただけでも、活動としては充分実りあるものだったっていう自負がある。もちろん、今後アメリカ、日本と新しい場所へと活動範囲を伸ばしていけるのはバンドとしてもうれしいことだよ。

――では今までどおり、ここからまた新しい何かが始まるということで。

ヴィレ:うん。(日本語で)アリガト(笑)。

取材・文●菊池陽子

H.I.M.オフィシャル・サイト(ワーナーミュージック・ジャパン)
H.I.M.サイン入りTシャツプレゼント!応募締め切り:2005年11月30日

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