アイロニー・アーティストの次は、歴代哀愁ソング

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つい先日、米雑誌雑誌『Blender』が悲哀漂うアイロニー・アーティストを発表したばかりだが、今度はAOLが“軟弱さ”を基準とした哀愁ソング111曲を発表した。この風変わりなリストには、ジェシカ・シンプソンとの破局で話題になったニック・ラシェイの新曲や、ボーイ・ジョージ率いるカルチャー・クラブの'80年代の曲まで、歴代の悲哀ソングが挙げられている。

同リストの1位を獲得したのがR.E.M.の「Shiny Happy People」(『Out Of Time』他)。当時の世界を揺るがす政治的な背景があって作ったことを前提にしたいが、“シャイニー、ハッピー”のリフレインとサウンドが額面通りに解釈されるといった、いわば、反転したシニカルさが残る。名曲「Losing My Religion」と共にヒットしたが、ライヴではあまり披露されず、スタイプの過去の発言からもバンドの意向に添った曲となったかは疑問だが、一方で、シンプルで陽気なサウンドに、純粋に魅了されるファンも少なくない。

近年ではマイケル・ムーアの問題作『華氏911』のサントラに収録された。2位がダン・ヒルの「Sometimes When We Touch」。ソフトでメロウ、メランコリーなサウンドが悲哀アーティストのトップクラスにランクインした。3位がマイケル・ジャクソンの'70年代のソロソング「Ben」だった。映画のテーマソングとして大ヒットしている。また、ジェイムス・ブラント(「You're Beautiful」)やコールドプレイ(「Fix You」)が上位に選ばれた。他にバックストリート・ボーイズの「I Want It That Way」(12位)、2パックの「Dear Mama」(14位)、カーペンターズの「Close To You」(17位)、R.ケリーの「I Believe I Can Fly」といった歴代のヒットが20位圏内に挙げられている。

リストの後半では、ビリー・ジョエルの「Just the Way You Are」(48位)、マライア・キャリーの「Hero」(49位)、ダニエル・パウターの「Bad Day」(58位)といった今年の来日アーティストの楽曲が選ばれている。99位がガンズ・アンド・ローゼズの「Don't Cry」となっている。

1位 「Shiny Happy People」 R.E.M.
2位 「Sometimes When We Touch」 ダン・ヒル
3位 「Ben」 マイケル・ジャクソン
4位 「You're Beautiful」 ジェイムス・ブラント
5位 「Every Rose Has Its Thorn」 ポイズン
6位 「Longer」 ダン・フォーゲルバーグ
7位 「What's Left of Me」 ニック・ラシェイ
8位 「Do You Really Want to Hurt Me」 カルチャー・クラブ
9位 「If」 ブレッド
10位 「Fix You」 コールドプレイ

T.Kimura
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