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<SUMMER SONIC 06>フレイミング・リップス、純粋無垢が生む唯一無二の世界観

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突然のキーン出演キャンセル! その間、17時から19時の間、ソニック・ステージはもぬけの殻の状態。だが、19時頃、その沈黙を突如破ったのは、フレーミング・リップス。彼らは突然、クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」のカヴァーをはじめたのだ。“おっ、開演が早まったのか?”と僕は足早に駆け付けたが、その真意を彼らはこう語った。“キーンを楽しみに来てくれた人、残念だね。そのお詫びといっちゃなんだけど、僕らが代わりにキーンの曲を演奏するよ”とのこと!そしてステージには、キーン・ファンを代表して女のコがステージに立ち、なんとリップスの伴奏に乗ってキーン最大のヒット曲「Somewhere Only We Know」をカヴァー。予想以上にきちんと英語で歌えた彼女に会場は惜しみない拍手。そしてそれが終わると、“じゃあ、19時20分本番ね”と言ってリップスの面々はステージ脇に一旦退場。だが、実際にはこれでスタートしたようなものだった。だって、会場はこれで十分ホットだったのだから!

そして19時20分。リップスの正式なライヴが本格的にスタート。大人気曲「Race For The Price」で幕を明けると、ステージの右から左から無数の宇宙人と宇宙飛行士のコスプレ軍団が登場。そして、ステージから会場には向けて50個ぐらいの巨大風船が一挙に解き放たれ、ライヴは終始、バルーンが舞ったまま行われることに。この他に例を見ない奇想天外な演出には毎度驚かされているが、結局それは今回もだった。

そして、ズシシシーン、パシシシーンッと響き渡るあまりに心地良いドラム・サウンドに乗った宇宙遊泳ロックも、これまた唯一無二。自分の脳内世界で鳴っている音をここまで無邪気に表現できるバンドはロック史上見ても稀じゃないだろうか。そして、その良い意味での純粋無垢さは、彼らの主張そのものにも繋がっていることも、ウェイン・コインがステージ上で“戦争をやめさせるぐらいのすごいパワーでどうか歌ってよ!”と健気に煽った「ヤーヤーヤー・ソング」を噛み締めて聴くことによって改めて確認もできた。不思議な気持ちと心の温かさ。その二つをジンワリと体験できるライヴは、今やこのリップスのライヴ以外にはないだろう。

文●沢田太陽


SUMMERSONIC 06 TOKYO
2006.8.12
SONIC STAGE

1.RACE FOR THE PRIZE
2.FREE RADICALS
3.Yoshimi BATTLES The Pink Robots
4.Yoshimi BATTLES The Pink Robots pt.2
5.Vein of STARS
6.The Yeah Yeah Yeah Song
7.the WAND
8.COSMIC AUTUMN
9.She Don't Use Jelly
10.DO YOU REALIZE??
11.A Spoonful weighs

◆SUMMER SONIC 06特集はこちらから
https://www.barks.jp/feature/?id=1000025892
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