<SUMMER SONIC 06>ラプチャー、血湧き肉踊る最強のパフォーマンス

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圧巻! もう、とにかく、これ以外に言いようがない。2000年代型ダンス・ミュージックの寵児、ラプチャーが面目躍如の圧倒的なパフォーマンスを披露してくれた。

彼らのビートがクールなのは、彼らが今風のポスト・パンク・リヴァイヴァルの先駆者だから? ある意味正解だが、それだけじゃない。ラプチャーが偉大だったのは、リズムの形式うんぬん以前に、機械の繰り出すビートの限界を、人間本来の血湧き肉踊る生身のビートで超えてしまったところにある。ビートの形式がどうのこうの言う以前に、とにかく攻めて攻めて相手を踊らせる。この姿勢こそがラプチャーなのだ。

それは今回のライヴでも同様だ。サックス奏者のガブリエルは手持ちぶたさになるとカウベルを叩いて聴衆を煽り、シンガーのルークは伸び上がりながら高い奇声を全身全霊であげる。そこまでも従来のラプチャーでクールなのだが、今回はそこにアフロなファンキー・ビートが加わった。それによりベースはさらに肉厚になり、縦ノリ・横ノリも自在になり、肉感的な衝動性はさらに強まった。聴いているうちに、気分はアフリカの原野でボンゴの乱れ打ちを聴いているような、そんな錯覚にまで陥ってしまう。

やっぱり、この連中は、存在そのものが生まれついてのビートでありグルーヴなのだ。これには、どんなテクノロジーが束になってもかなわない。これは間違いなくサマソニ屈指のベスト・パフォーマンス。9月の最新作も本当に楽しみだ。

文●沢田太陽


SUMMERSONIC 06 TOKYO
2006.8.12
MOUNTAIN STAGE

1.Out Of The Races
2.Heaven
3.Get Myself Into It
4.Sister Saviour
5.The Devil
6.Pieces Of the People We Love
7.Killing
8.Whoo! Allright - Yeah…Uh Huh
9.House Of Jealous Lovers
10.The Coming Of Spring
11.Echoes
12.The Sound

◆SUMMER SONIC 06特集はこちらから
https://www.barks.jp/feature/?id=1000025892
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