――独特の響き方で歌が届いてきますね。声で雲の上を飛べるというか。頭皮を上に引っ張られて身長が3cmぐらい伸びてくような、そんな響き方で届いてくる声だなとまず思ったんですよ。

榎本くるみ:ありがとうございます(微笑)。音楽って普段、自分が出し切れないものを出してるところもあって。ペガサスになった気持ちというか。空を羽ばたくような。そんな気持ちで歌ってるんですよ。だから普段の自分とはちょっと違うところにいるのかもしれない。歌ってるときは。

――歌い始めたときからこういう歌い方を?

榎本くるみ:いえ、いろんな歌い方をしてきましたね。シャウトとかもしてましたし(笑)。最初はロックがすごい好きで、元々はハードロックとか男バンドのロックから始まってるんですよ。小学校5~6年生ぐらいのときにそういう音楽に出会って“(人生)このままでいいのだろうか”って思い始めたんですよ。

――えっ、小学校で? その頃、日常生活があまり楽しくなかったとか?

榎本くるみ:うん、全然楽しくなかったですね。転校したり、いろいろあって孤立してたときがあって。そこからいろいろ考えるようになったんです。音楽とか自分のことを真剣に。勉強も好きじゃなかったし運動も全然できなかったんで、そこで音楽に逃避してた部分もあったんですけど。唯一、音楽を聴いたり、歌ってるときは楽しくて。そこから曲を書くようになったんです。

――それがいくつぐらい?

榎本くるみ:初めて書いたのが小6ですね。ピアノで。

――ちなみに初めて書いた曲の題名は?

榎本くるみ:「幻」っていうんですけど(微笑)。

 

――小6で「幻」って、なんか発想があまりにも暗いんですけど。(一同:笑。)

榎本くるみ:暗いところから始まってるんで(笑)。だからその当時の曲を聴くとホント、病んでるというか(笑)。すべてを否定してるんです。そんなところから、いろんな人との出会いがあって。自己逃避のために音楽を始めたんだけど、それがだんだんアメリカン・ドリームじゃないですけど“有名になりたい”って気持ちになっていって。でも、それを見つめ直す方向に行ったときに“私はなんで生きてるんだろう”っていうところから、“幸せになりたい”っていうところに到達したんです。本当に幸せになりたいし、自分だけが幸せになるんじゃなくて、みんなが幸せになる音楽を歌いたいって、今は思ってるんですよ。

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