毒舌アリ!名演アリ!おてんばリリーの来日ライヴレポ

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NME誌を猛批判したり、愛犬を盗まれたりと、相変わらずお騒がせなUKきってのおてんば娘、リリー・アレン嬢。そんな彼女が今月2度目となる来日ライヴを果たし、1月12日に東京・LIQUIDROOM ebisuにてライヴを行なった。(■その他の大きい写真はこちら!

この日のライヴは、ギター、ベース、ドラム、キーボード、ホーン3人といった計7名の大所帯バック・バンドを従えてパフォーマンスされ、全15曲を披露した。このリッチなバンド構成によって、リリーの放つカラフルなスカ・ポップが見事にステージ上で再現された。

聴き親しんだ音楽であっても、いざライヴ会場で聴くと、そのサウンドの新しさや斬新さを体が再確認するもので、開演当初はどのように楽しんだらいいのかという微妙な戸惑いが会場に漂っていたようだ。だがショウが進むにつれ、リリーのマジックのような音楽でオーディエンスは踊りだし、フレンドリーなムードの中で大盛り上がりになっていった。

それにしても感心したのは、リリーのシンガーとしての才能だ。おてんばキャラから何かポップさやパワフルさといった一辺倒な先入観を持ってしまいがちだが、タバコを吸いながら聴かせた揺れるスカ・ヴォーカルはあの若さとは思えない渋みを見せ、繊細に歌い上げる「リトレスト・シング」などではフランス映画のワンシーンのように艶やかなヴォーカルを聴かせてくれた。それらを一切気取ることなく素の姿で繰り広げる彼女だけに、天性を感じずにはいられない。

またMCでは、毒舌リリー節もご健在。7曲目でカヴァーしたザ・クークスの「ナイーヴ」では“ザ・クークスは嫌いだけど、唯一この曲はいい曲よね”と曲紹介し、ライヴ中盤では“みんなはフジロックに行く? 今年はフジロックでまた会えるわね。誰かさんがちゃんと呼んでくれればね!”とステージからイベンターのSMASHに猛プレッシャーをかけまくっていた。さすが、リリー! 恐いものなしです。

キャラが先立ってしまった感がある彼女だが、話題沸騰になるだけの才能を持った新鋭アーティストなので、フジロック出演が実現したらリリーのライヴをチェックするのを忘れずに。


<2007.01.12 LIQUIDROOM ebis>
1.LDN
2.Window Shopper
3.Shame for you
4.Knock Em Out
5.Littlest Things
6.Cheryl Tweedy
7.Naive(ザ・クークスのカヴァー)
8.Not big
9.Absolutely Nothing
10.Everythings just Wonderful
11.Friend of mine
12.Friday Night
13.Smile

= Encor =
14.Blank Expression(スペシャルズのカヴァー、世界初披露)
15.Alfie
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