樹海、「咲かせてはいけない花」インタビュー

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■インタヴュー Page02

──なぜ、そういう切ない感情が生まれてきたんですか?


愛未:楽曲を聴いたときに、“どろどろとしたグロい感じやなぁ”と思ったことからだったんです(笑)


出羽:明るい曲ではないからね(笑)。この楽曲は時間が短いんですが、その中に壮大さからしっとりとした表情まで緩急さまざまな世界観を描いてている、けっこう不思議な展開を見せていく作品なんです。しかも、すべての構成に意味がある。それくらい、樹海らしさをより進化/深化させた楽曲になった感覚を覚えています。


愛未:まさしくこの歌こそ、樹海の第二章の始まりを告げる楽曲になったからね。

──PVでは、散りばめられた花の中央で、水に浸りながら切々と想いを紡ぎ上げる愛未さんの姿を味わうことができます。


愛未:ずっと水に浸りながらの撮影だったので身振り手振りをつけられなかったんです。だから歌っている表情で、この楽曲に込めた想いを表現しました。そこは、大きな見どころになっていると思います。

──撮影は大変だったようですね。


愛未:お湯を張るセッティングだけで40~50分かかる状態だし、それから4時間近くお湯に浸かっていたものですから、徐々にお湯も冷えていくし。横になっていた場所が固かったんで、撮影が終わったら身体半分にアザが出来てた…なんてこともありました。そんな苦労話も知ったうえで、PVを観ていただけたら嬉しいですね。

──2曲目に収録した「ガラスの靴」は、“年上の相手に対し、子供扱いしないでしっかり一人の女性として認めてよ”という想いを綴ってますよね。2曲通して聴いたときに感じたのが、“もしや、同じ相手?”ということでした。


愛未:この歌詞を書いたのは、まだ17歳だった頃なんです。今の樹海のスタイルにアレンジをし直して、「咲かせてはいけない花」のカップリングということで、多少歌詞も変えました。きっと同じ相手だと感じてしまうのも、私自身が「咲かせてはいけない花」の想いに導かれ、二十歳の視点で当時を振り返りつつ書き直していったからだと思います。

──17歳当時なら、背伸びした恋を求めたくなるのもわかる気がします。


愛未:“もっと大人扱いして欲しい”という気持ちがあったんですよね。高校生の頃って、相手に似合うような大人になりたいという思いから背伸びしたがるものじゃないですか。今でも、その辺に変化はないんですけど(笑)


出羽:この「ガラスの靴」って、僕が彼女に出会ったときに初めて渡した歌で、樹海として初めて制作した楽曲だったんです。この作品の持つ世界観が「咲かせてはいけない花」とピッタリ合うので、歌詞やアレンジを今の樹海スタイルに変えて、今回収録しました。

──まさに2曲で一つの世界観を描きあげた「咲かせてはいけない花/ガラスの靴」ということですね。改めてこの作品は、今の樹海にとってどんな作品になったと思います?


愛未:2曲とも、誰かの心に触れることで成長していく楽曲になったと思います。作品としては、樹海第2章の幕開けを告げる作品だと思うので、ここからどんどん広がっていく楽しみもあります。


出羽:樹海としての根本となる部分を、より深化させることができました。どこにも無駄のない楽曲になったと思います。

取材・文●長澤智典

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