℃-uteの常夏さきどり! ミニアルバム『(2)mini~生きるという力~』リリース(後編)

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「通学ベクトル▼」は、雨の日に同じバスに乗る男の子に恋をしている女の子の曲。鈴木愛理が等身大の魅力のままで歌うので<でも雨は くせ毛になるわ / 神様は意地悪ね / くねくねしちゃうな>というところなど、本当にアイリーンがくねくねしちゃっているところを想像してしまいそうになる。つんく♂の本領発揮ともいえそうな1曲だ。

℃-uteのリーダーである矢島舞美の声の不思議に気づくのが最後の「夏DOKI ルイップスティック」。聴き比べてもらうとわかるが、彼女はモーニング娘。の藤本美貴と似た声質を持っている。だが、藤本と矢島の声質は、1点、大きく異なる。それは音の鋭さ。矢島の声は、藤本に比べると口腔内で音がこもり気味なのだ。音がこもるということは、正直、アップテンポの曲よりもバラード系のほうが声質自体は合う。ところが今回はアップテンポの曲。そこでつんく♂が採った策が“高い音を並べる”という手段だ。つんく♂曰く<目いっぱい高いキーに設定して、思いっきり若さを表現>したことによって、全体的な曲のトーンが明るくなっている(引用したつんく♂の発言は、彼の公式サイトより)。

さらに特にサビでアクセントとなる部分(フレーズの頭など)に “a” と “i” と “e” という明るい母音を持つ音を数多く割り当てることで、彼女のヴォーカルに勢いや力強さが加えられているのも興味深い。これらの音が並んでいるのは、偶然というよりも、意図的にこのような歌詞をヒット・メーカーつんく♂が練り上げたのではないか、と推測したい。いずれにせよ、2007年の熱い常夏の日差しをさきどりしたかのような、そんなアッパーで気持ちのよい楽曲に仕上がっている。

これまで℃-uteを知らなかった人も、ちょっとだけ興味があった人も、ぜひこのミニアルバムから彼女たちの魅力に足を踏み入れてみては?

さらに1つ情報を付け加えておくと、2月に日本青年館で行なわれた彼女たちのファーストライヴを収録したDVD『℃-ute デビュー単独コンサート 2007春 ~始まったよ!キューティーショー~』も同日発売。すでに予約だけで Amazon.co.jpのミュージックDVDランキングの上位にランクインしている彼女たちのライヴ映像作品。こちらも赤丸超期待だ!

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※「通学ベクトル▼」の▼は傘マーク


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