あの名曲をそんなアレンジで演るの!?

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モーツアルトCDのバカ売れや、のだめカンタービレのヒット、いまや音楽界は空前のクラシック・ブームだ。そんなブームの中、耳に馴染んでいるクラシックのメロディが、ものすごく新鮮に聞こえる。そんな作品集が登場した。

それが、クラシックの名曲がレゲエのアレンジ、リズムに乗せて演奏される『Classic for Reggae Lovers』だ。レゲエ界随一のキーボーディストHAKASE-SUNが率いるこのユニット、The Miceteethやスカパラの北原なども参加し、ただの手慰みなどではなく、レゲエとクラシックのコラボレーションに真面目に取り組んだ聴き応えのある一枚になっている。

しかし、それにしてもクラシックとレゲエは相性ピッタリ。“のだめ”で一躍有名になったベートーヴェンの交響曲第七番から始まり、バッハの「ラヴァーズ・コンチェルト」はなんとヴォーカル入り。この耳慣れたメロディが軽やかなレゲエのリズム上で跳ねる。柔らかな武田カオリの声が全体を包み、この曲の新たなる一面を見せてくれる。この曲はPV映像も届いているので、ぜひ見てほしい。

サティの「ジムノペディ」、ブラームス「ハンガリー舞曲」、エルガーの「威風堂々」など、メロディーをリードする楽器が次々と変わる。時にはアドリヴも入り、名曲の名曲たるゆえんのメロディの完璧さと、アレンジで変わる表情の妙をたっぷり味わえる。

ベートーヴェンの「イッヒ・リーベ・ディッヒ」など、原曲を知らなければ、これがクラシックの曲などととても信じられない。太陽を浴びた大地の匂いがしてくるようだ。シューマンの「トロイメライ」はアレンジの勝利。原曲が変拍子なのに、それを4拍子に乗せてちゃんと解決させる。繊細なメロディが軽やかな裏打ちリズムに橋を掛け、思わず笑みが浮かぶのを感じるアレンジなのだ。

スタンダード曲を意外なアレンジで聴くことは贅沢なことだ。今まで抱いていた原曲に対する思い込みが覆されるが、それが気持ちのよい転覆となり、メロディに対する想像力が喚起される。いつまでも古臭くならないメロディが呼び起こす至福の時間。それがこのCDの中にはある。

●「ラヴァーズ・コンチェルト」PV映像
https://www.barks.jp/watch/?id=1000019033

●HAKASE-SUNからのメッセージも見てね!
https://www.barks.jp/watch/?id=1000019110
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