ガンズ・アンド・ローゼズ、いきなり想定外のダブル・アンコール…これは奇跡の前兆か?
7月14日、幕張メッセ。『サマーソニック02』への出演をのぞけば実に14年ぶりということになるガンズ・アンド・ローゼズのジャパン・ツアーが、いよいよ本当に幕を開けた。オープニング・アクトに起用されたムックの、真摯かつ攻撃的な演奏が終了してから59分後、突然暗転した場内に渦巻いたのは歓声とどよめき。「マジ? もう始まんの?」なんて声も、あちこちから聞こえてきた。
サーチライトが交錯し、ミステリアスなSEが轟くなか、聴こえてきたのは誰もが想定していたはずの、あのギターの響き。身構える1万5,000人のオーディエンスに向けてアクセル・ローズが発したヒステリックに挑発的な第一声は、「You know where the fuck you are?」。ここまで書いておきながら隠しても無意味だと思うので素直に明かしてしまえば、オープニングは「ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル」。ちなみに筆者は2000年の大晦日というか2001年元旦のラスヴェガス公演以降、“アクセル以外のオリジナル・メンバーが不在のガンズ”を観るのはこれで8回目ということになるが、そのなかで1曲目にこれ以外の楽曲が据えられていたことは一度もない。要するにこれはもはやほぼ“お約束”でもある。が、それでも鳥肌が立ち、奇声を発したくなってしまう。
それから2時間をゆうに超える時間経過のなかで、ガンズ・アンド・ローゼズは、事前の情報収集を欠かさずにいた熱心なファンたちが絶対に聴けるはずだと信じていた未発表曲たちを含む楽曲群、長年このバンドから遠ざかっていた人たちが“久しぶりにナマで聴きたい”と切望していたはずのキラー・チューンの数々を完全網羅しながら、“健在ぶり”ではなく“現在ならではの充実ぶりと切れ味の良さ”を見せつけてくれた。
敢えてもうひとつだけ演奏楽曲について明かしてしまうと、この夜、アンコールを終え、全メンバーが横一列に並んで深々と一例をしてステージを去った後、奇跡が起こった。鳴り止まない“ガンズ、アンド、ローゼズ!”コールに応えて、アクセルたちはふたたびステージに姿を見せ、誰もが期待しつつも予想していなかった「ドント・クライ」を披露してくれたのだ。これにはもう、タイトルのように「泣くな」と言われても無理というもの。ビールで充分すぎるほど補給していたはずの水分はすべて汗になっていたはずなのに、僕は自分の両眼に、まだあふれ出てくるものが残されていたことに気付かされた。
新生ガンズ・アンド・ローゼズにとっては、いわゆる定番ではなく、事後に関係者に聞いたところによれば“演奏する可能性がある曲リスト”にさえ含まれていなかったという「ドント・クライ」。それを彼らから引き出すことになったのは、アクセルが「Fuckin’ amazing!」と評したオーディエンスの力でもあるはずだし、彼自身がこの夜のライヴから想定以上の手応えと充実感を得たことの証しともいえるだろう。いわば、幕張メッセの1万5,000人が、彼を、“その気にさせた”のである。
とにかく、いいライヴだった。昨年6月、ドイツの巨大フェス、『ロック・アム・リング』で観たときとは、比べものにならないくらい良かった。台風直撃で大雨に見舞われたこの日の日本列島。依然、天候には警戒の必要な状況が続いてはいるが、7月15日、同じ幕張メッセでの第二夜も見逃すわけにはいかないだろう。奇跡は、まだまだ更新されていくことになるはずだから。
と、いうわけで、原稿のほうもまだまだ更新していく。以上はあくまでジャパン・ツアー第一夜に関する第一報である。会場内外で声をかけてくださった皆さんの言葉や、さまざまなエピソードについても、これから続々と紹介していくつもりなのでお楽しみに。
ガンズ・アンド・ローゼズ ジャパン・ツアー ~写真編~
https://www.barks.jp/feature/?id=1000032901
増田勇一
サーチライトが交錯し、ミステリアスなSEが轟くなか、聴こえてきたのは誰もが想定していたはずの、あのギターの響き。身構える1万5,000人のオーディエンスに向けてアクセル・ローズが発したヒステリックに挑発的な第一声は、「You know where the fuck you are?」。ここまで書いておきながら隠しても無意味だと思うので素直に明かしてしまえば、オープニングは「ウェルカム・トゥ・ザ・ジャングル」。ちなみに筆者は2000年の大晦日というか2001年元旦のラスヴェガス公演以降、“アクセル以外のオリジナル・メンバーが不在のガンズ”を観るのはこれで8回目ということになるが、そのなかで1曲目にこれ以外の楽曲が据えられていたことは一度もない。要するにこれはもはやほぼ“お約束”でもある。が、それでも鳥肌が立ち、奇声を発したくなってしまう。
それから2時間をゆうに超える時間経過のなかで、ガンズ・アンド・ローゼズは、事前の情報収集を欠かさずにいた熱心なファンたちが絶対に聴けるはずだと信じていた未発表曲たちを含む楽曲群、長年このバンドから遠ざかっていた人たちが“久しぶりにナマで聴きたい”と切望していたはずのキラー・チューンの数々を完全網羅しながら、“健在ぶり”ではなく“現在ならではの充実ぶりと切れ味の良さ”を見せつけてくれた。
敢えてもうひとつだけ演奏楽曲について明かしてしまうと、この夜、アンコールを終え、全メンバーが横一列に並んで深々と一例をしてステージを去った後、奇跡が起こった。鳴り止まない“ガンズ、アンド、ローゼズ!”コールに応えて、アクセルたちはふたたびステージに姿を見せ、誰もが期待しつつも予想していなかった「ドント・クライ」を披露してくれたのだ。これにはもう、タイトルのように「泣くな」と言われても無理というもの。ビールで充分すぎるほど補給していたはずの水分はすべて汗になっていたはずなのに、僕は自分の両眼に、まだあふれ出てくるものが残されていたことに気付かされた。
新生ガンズ・アンド・ローゼズにとっては、いわゆる定番ではなく、事後に関係者に聞いたところによれば“演奏する可能性がある曲リスト”にさえ含まれていなかったという「ドント・クライ」。それを彼らから引き出すことになったのは、アクセルが「Fuckin’ amazing!」と評したオーディエンスの力でもあるはずだし、彼自身がこの夜のライヴから想定以上の手応えと充実感を得たことの証しともいえるだろう。いわば、幕張メッセの1万5,000人が、彼を、“その気にさせた”のである。
とにかく、いいライヴだった。昨年6月、ドイツの巨大フェス、『ロック・アム・リング』で観たときとは、比べものにならないくらい良かった。台風直撃で大雨に見舞われたこの日の日本列島。依然、天候には警戒の必要な状況が続いてはいるが、7月15日、同じ幕張メッセでの第二夜も見逃すわけにはいかないだろう。奇跡は、まだまだ更新されていくことになるはずだから。
と、いうわけで、原稿のほうもまだまだ更新していく。以上はあくまでジャパン・ツアー第一夜に関する第一報である。会場内外で声をかけてくださった皆さんの言葉や、さまざまなエピソードについても、これから続々と紹介していくつもりなのでお楽しみに。
ガンズ・アンド・ローゼズ ジャパン・ツアー ~写真編~
https://www.barks.jp/feature/?id=1000032901
増田勇一
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