大晦日はC.C.Lemonホールに集合!V系の現在を見ずして日本のロックの“今”を語るなかれ

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ヴィジュアル系こそが日本の音楽シーンにおいて、実はいちばんロック然とした成り立ちをしているんじゃないだろうか。真顔でこんなことを言うと多くの人は笑うだろうが、本気でそう感じされることが多々ある。

▲12012
▲彩冷える-ayabie-
▲ギルガメッシュ
▲heidi.
▲Mix Speaker's,Inc.
▲Sadie
▲ヴィドール
▲Wizard
▲アンティック-珈琲店-
▲Plastic Tree
▲ムック
たとえばその異端さ。メインストリームへの対抗勢力となり得る“ひねくれた王道”をオルタナティヴと呼ぶのだとすれば、王道的J-POPに対するそれはまさにヴィジュアル系ではないかという気がする。同時に、昔からメタル・バンドたちが「髪の長い人たちによる偏狭で野蛮な人たち」という偏見に邪魔されながらも、逆に裾野の広い音楽性と色とりどりの個性で根強い支持を集めてきた事実は、外見的イメージだけで毛嫌いされることの多いヴィジュアル系バンドたちが、実はこの国のシーンを支えてきたこととよく似ている。

数字的な実績についてのみ述べているわけではない。若者たちにとっての憧憬の対象となったヴィジュアル系創世記のバンドたちは、そのまま後続世代にとっての“動機”となってきた。もう少し噛み砕いて言えば、ヴィジュアル系はいつも多くのキッズにとっての“ロックへの入口”であり、“楽器を手にする切っ掛け”であり続けてきたわけである。

そして2007年の現在、音楽シーンでは実に多様化したヴィジュアル系バンドたちが、さまざまな彩度の光を放っている。そもそもヴィジュアル系という言葉自体、視覚的な過激さやコダワリの強さを指すものでしかないわけで、それこそ「パンクにギター・ソロなんか不要だ」といった音楽的な約束ごとは最初からひとつもありはしなかった。

強引に聞こえるかもしれないが、極端なことを言えば、音楽的にいちばん制限がなく自由なのがヴィジュアル系ということでもあるはずなのだ。

実際、今、この言葉でカテゴライズされているバンドたちの音楽のみを純粋にとりあげてみると、そこにはきわめて攻撃的なヘヴィ・ロックもあれば、純度の高いポップ・ミュージックも、形容不能なミクスチャーもある。ゴシックやインダストリアル、メタルコアはもちろん、ヒップホップやテクノ、さらには歌謡曲に通ずる手法すらも、ここでは禁じ手ではない。しかも、バンドによっては化粧をすることさえかならずしもマストではなかったりするのだ。

ヴィジュアル系の必要条件が“化粧をすること”ではなく、“自分たちなりの美学を貫くこと”へと変わりつつある、などと結論づけたら言い過ぎだろうか?

もちろん音楽は個人の嗜好で楽しむべきものであり、生理的にヴィジュアル系を受け入れられないという人たちが世の中にたくさんいることも承知はしている。が、実は多種多様なバンドがひしめきあい、さまざまな可能性が渦巻いているこの世界を、それだけの理由でのぞかずにいるのは、あらかじめ新鮮で刺激的な出会いを拒絶しているも同然ではないだろうか?

2007年12月31日、ヴィジュアル系百花繚乱時代への本格突入を象徴するかのような一大イベントが、渋谷の聖地、C.C.Lemonホールで開催される。

この画期的なイベントは、<Over the Edge'07>と題され、レーベルやプロダクションの垣根を越えながら、あくまで“バンドたち主導”で実現することになる。もちろん未来のことは誰にも断定できないし、今後、この試みが継続的に存続していくことになるのか否かは誰にもわからない。

が、思いがけない再結成劇までもが相次ぎ、オリジネイターたちと彼らの過去を知り得ない世代とが同じ土俵で闘うという構図すら成立している現状を踏まえれば、これが単なる“祭り”でないことは容易に想像できる。

たとえばこのイベントが、オジー・オズボーンの主宰による<OZZFEST>、KORNの呼びかけによる<THE FAMILY VALUES TOUR>、さらには日本でも名前が定着しつつある<TASTE OF CHAOS>のような、次代を担うべき者たちにとっての登竜門的存在になっていくことを僕は期待したい。

地下活動を続けてきたバンドも登場すれば、すでに表舞台で実績を重ねてきたバンドも出演するし、まだ全国区には程遠いバンドも、本格的に世界へとはばたきつつあるバンドも、新人も十年選手も同じステージに立つことになる。

肥大化しすぎたフェスでは体感しにくい、もうひとつの現実。やはりそこに渦巻くものにこそリアリティが存在するのではないだろうか。そのなかに身を置くことは、まさに現在の日本のロックの本当の素顔を知ることにも繋がるはずである。

文●増田勇一


<Over the Edge '07>開催決定
2007年12月31日(月)
渋谷C.C.Lemonホール
【第一部】
開場14:00 開演14:30(終演19:45予定)
【第二部】
開場21:00 開演21:30(終演26:00予定)

出演バンド(A toZ 順)
【第一部】
12012/彩冷える-ayabie-/ギルガメッシュ/heidi./Mix Speaker's,Inc./Sadie/ヴィドール/Wizard
【第二部】
アンティック-珈琲店-/Plastic Tree/ムック/and more…!?
※そして第二部には、お年玉特別企画あり!

チケット代:
第一部 5,000円/第二部 6,000円
(税込・前売料金/当日料金はそれぞれ500円UP)

チケットに関するお問い合わせ
:ディスクガレージ 03-5436-9600(平日12:00-19:00)
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