増田勇一のライヴ日記 年末七番勝負(4)2007年12月27日(木)吉井和哉@東京・日本武道館

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前夜の<JACK IN THE BOX 2007>に続き武道館に出掛け、吉井和哉を観た。10月に同じ場所で観た彼のライヴも素晴らしかったが、同公演が現時点での最新アルバムにあたる『Hummingbird in Forest of Space』の存在をあくまで中心軸に据えたものだったのに対し、今回の<吉井武道館2007>は、やはり基本的には同作に重きを置きつつも、よりフレキシブルというか、アソビゴコロに手加減のないもの。時期的な印象が重なるせいでもあるんだろうが、THE YELLOW MONKEY時代の年末恒例ライヴ<メカラ ウロコ>シリーズを思わせる匂いもなんとなく持ち合わせたものだった。

すでにBARKSでも報じられていることだが、この夜のライヴ中盤にはスピッツの草野マサムネがサプライズ・ゲストとして登場。2人はクリスタルキングの名曲「大都会」を完コピ・デュエットで再現し、超満員のオーディエンスを沸かせた。その直前に披露されたのが近年の彼の楽曲のなかでも特にダウナーな部類に入る「ワセドン3」で、直後に演奏されたのがビートルズの「HELP!」のカヴァーだったという事実を記せば、どれだけ「大都会」が唐突だったかはお察しいただけることだろう。しかし、それによって雰囲気がブチコワシになるどころか、逆に吉井和哉というロック・スターが持ち合わせているエンターテインメント性の奥深さを感じさせてくれたりするのだから恐れ入る。

ライヴそのものの内容については、これから各音楽誌などでも報じられることになるだろうから敢えて詳しくは触れずにおくが(皆さん、音楽誌をもっと読みましょうね)、とにかくこの夜のライヴも文句なしに素晴らしかったし、まさに彼にしかできないカタチでのデビュー15周年記念公演だったと思う。その事実が、彼個人を約20年前から知る身としてはとても嬉しかったし、なんだか誇らしかった。

今だから敢えて書いてしまうけども、THE YELLOW MONKEYが結成された当初、このバンドには別のヴォーカリストがいて、吉井はギタリストだった。その当時、このバンドが「結成された」というニュースは、僕が当時籍を置いていたヘヴィ・メタル専門誌『BURRN!』にしか載っていない。ちなみに、そのニュースが掲載されたときの同誌の表紙はL.A.ガンズ。そのフロントマンだったフィリップ・ルイスが今夜、都内のライヴハウスに出演するようだが、僕は違うライヴに足を運ぶことになっている。

増田勇一
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