GOLLBETTY、「COOL MUSIC」特集内ライブレポ

全国４箇所を巡ったGOLLBETTY主催ツアー“GLAMOUR BEAT!!～2007 WINTER TOUR～”の東京公演、渋谷O-WESTをパンパンに埋め尽くしたオーディエンスの大歓声に迎えられた７人は、幕開けの「Easy Going」から200％のフル・スロットル。メンバー各自がてんでバラバラなアクションで激情を迸らせ、何より楽器を振り上げたり、跳ねたりというホーン隊３人のアグレッシヴな動きに、頭の中に染みついていた“一般的ホーン隊像”をメチャメチャに破壊されてしまう。
彼らにとって楽器は音楽を象る相棒のみならず、視覚的インパクトを与える小道具の一つ。なるほど、インタビューでも語っていた通り、これはただのスカ・バンドなんかじゃない。観る者をグイグイと惹きつける凄まじき瞬発力とパワー。その中心となっているのは、言うまでもなく紅一点のヴォーカル・G-YUNだ。ストロベリー色の髪を振り乱すタフなステージングでキュートな見かけを完全に裏切り、“年末の忙しいときにこんなに集まるなんて、みんなヒマ人？”と放つMCはかなりの毒舌。とはいえ、それがただのツンデレに過ぎないことは、続いて披露されたメジャー・デビュー曲「COOL MUSIC」で醸した不思議な一体感からも明らかだろう。
“悩んでることは、一生懸命生きてる証”という曲のメッセージを伝えるために、各々の音をパズルのピースのように組み合わせて、一つの作品を作り上げんとする真摯なプレイ、そしてオーディエンスと心通い合わせようとする一途な気概は、デビューを前に解散の危機を乗り越えてきたからこそ身につけた彼らの強さだ。ファンクな｢Ding Dong Ding｣ではフロント陣がステージに詰め掛けたファンとハイタッチし、G-YUNは地球温暖化に本気で怒って、「Welcome to JUNGLE!!」で獣のようなコール＆レスポンスを繰り返す。その間コミカルなステップを繰り出したりとパフォーマーとしても大活躍するホーン隊は、反面そのメタリックな響きをバンド隊のタイトなロック・サウンドと見事に融合させて、「CLOSE YOUR EYES」で心温まる柔らかな空気を、「小恋指～コイユビ～」で燃え立たんばかりのパッションと躍動感を巻き起こしてゆく。アンコールで本邦初披露された「DREAM CATCHER」も、ドリーミーなメロディにG-YUNのキュートな歌声がよく映えて、やはり名曲と確信。さらに「クレイジーな太陽の下で！」と贈られたラストの「ウエヲ」では、MISSYの見事なタッピングに紛れもないロック魂を見せ付けられて、彼らのジャンルレスな音楽性に驚くほかない。

自由に、貪欲に、そして熱く。GOLLBETTYの音楽には何のルールも無いが、“オーディエンスと対等に向き合いたい”という精神面でのコアには１ミリの曇りもない。
だからこそ、彼らのステージからは何より“気持ち”が伝わるし、文句ナシに“楽しい！”と断言できるのだ。
ついにメジャー・シーンへと進出を果たす2008年、GOLLBETTYの進化はまだまだ続いてゆく。

取材・文●清水素子

GOLLBETTY PRESENTS “GLAMOUR BEAT!!”
2007/12/21＠渋谷O-WEST
1.Easy Going
2.JOKER
3.COOL MUSIC
4.Ding Dong Ding
5.I'm still lovin' you
6.Welcome to JUNGLE
7.CLOSE YOUR EYES
8.小恋指～コイユビ～
en:ウエヲ

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