ジャパメタ伝説のライヴ近づく

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“ジャパメタ”。

この言葉から喚起される響きの甘美さ、密着するお互いの肉体の存在感、芳しき汗の匂いと大爆音の予兆、そしてカタルシス。いま日本のロック界で起こっていることの萌芽は、すべて80年代にあったたのだ。そしてその遺伝子は脈々と受け継がれ進化し、ときには突然変異のミュータントを生みながらも、21世紀のいまを春と謳歌しているのである。

25年のときを超えて甦る3つのジャパニーズ・ヘヴィメタル・バンドのジョイント。44MAGNUM、EARTHSHAKER、そしてMARINOという猛獣どもが3月1日に東京・中野サンプラザホールに集結する。題して<JAPAN HEAVY METAL FANTASY 関西なぐり込みギグ 2008>。これは、1月18日付けのニュースでお知らせしたとおり。

“関西なぐり込みギグ”というタイトルの意味がわかる人は、40歳前後の年齢になっていることだろう。1983年、関西からの尖がったヘヴィメタルバンドが新宿LOFTに殴り込みをかけた。それが先述の3バンドだ。

ポール、マーシー、レオという個性と声力を持つヴォーカリスト、そしてジミー、シャラ、レイヴンというスーパー・ギタリストを擁し、関西からの刺客たちは、新宿LOFTを中心に、目黒・鹿鳴館、渋谷・屋根裏、そしてラ・ママなどで腕を競い合い、大量のファンを動員し、次々にメジャーデビューしていった。

このときに起こったヘヴィメタルブームは数多のバンドを生み出し日本の音楽界に波紋を投げかけたが、その一方で、ブームの悲しい結末として淘汰され消費されていった。しかし彼らは、音楽業界の中にヘヴィメタル・ロックミュージックというジャンルを確立し、優秀な遺伝子を90年代~00年代のアーティストに残した。想像以上の影響力でもって、いまのロックを支えていると言っても過言ではないだろう。

そんな3バンドが20数年ぶりにジョイントするライヴだ。注目しないわけにはいかない。当時を知るベテラン・ロックファンにも、ヘヴィメタル黎明期を作り上げた彼らをリスペクトする若いファンにも、中野サンプラザホールで目撃、体験することを絶対にお勧めする。

また、アースシェイカーは新アルバム『Quarter』を3月12日にリリースする。過去の栄光にしがみつくのではなく、新しい可能性を求め続けている彼らのロック魂に乾杯だ。

もう一つ最新情報を付け加えておこう。44MAGNUMのトリビュート・アルバムのリリースが4月2日に決定した。参加アーティストはラウドネスの二井原実、山下昌良、アースシェイカー、マリノ、アンセムの柴田直人、デッドエンドの足立祐二、元ジュディマリの五十嵐公太などなど錚々たるメンバーだ。往年の名曲がどのように料理されて出てくるのか、こちらも楽しみである。

爆音にまみれた青春の輝き、熱き初期衝動よ、いま再び。

<JAPAN HEAVY METAL FANTASY 関西なぐり込みギグ 2008>
3月1日(土)中野サンプラザ
[問]JAPAN HEAVY METAL FANTASYコンサート係 03-3479-9999

●オフィシャルサイト
http://www.j-metal.jp/

●デンジャークルー
http://www.dangercrue.com/
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