IKU、デビューシングル「音のない夜空に」特集内インタビュー

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──そうそう、デビュー曲「音のない夜空に」は高瀬氏の作曲。誰かの曲に歌詞を付けるという作業は、もしかして初めて?

IKU:初めてですし、しかもデビュー曲だし、力入るわー、みたいな(笑)。自分で曲を作る時は、主にメロディーを作りながらこういう歌詞を乗せようってイメージを膨らませるんですね。それが今回は、でき上がってる曲をいきなり渡されたから、どうしようって。

──高瀬氏から、歌詞に対する要望はあった?

IKU:“私がいて、アナタがいてっていうような個人的な歌にしてほしくない。あとは任せるわ”って…それだけ(笑)。なので、曲を聴きながら、楽しいと悲しいだったらちょっぴり悲しいかな? とか、朝じゃなく夜だな、でも真っ暗な夜じゃなく、仄暗い感じ、暗い中にも、その先に何かを感じられるようなモワモワしてる感じはあるな、とかイメージを整理していって。まずはAメロの“わかって…”とか“誓って…”のメロディーの空間にハマって、しかもモワモワする感じの言葉を探すことから始めました。私としては単に暗くて悲しいだけじゃなく、夜から透けて見えるような光みたいなものを表現したかったんです。

──確かにサビの“無防備な笑顔~”からはね。

IKU:はい。真っ暗な悲しみだけじゃなく、そこに救いみたいなものが、どうしても欲しかった。だってデビュー曲ですからねぇ(笑)。

──ですね(笑)。で、カップリングの「木の芽風」はIKUさんの作詞作曲。

IKU:はい、一番最初の弾き語りライヴから歌ってます。私の中でも一番大好きな曲です。

──まずは「木の芽風」ってタイトルが面白いな、と。

IKU:“木の芽風パスタ”とかありそうですよね(笑)。タイトルは歌詞から引用することもありますけど、それとは別の何かイメージが膨らむものがいいなと思って、いろいろ調べていたんですね。そうしたら春の季語で“木の芽風”(意味:春を運んでくる芽吹きを呼ぶ風)っていうのを発見して。“あ、この題名いい!”と。歌詞の世界観にも合ってる、リリース時期にもピッタリ! それに“芽吹き”って響きがスゴくいいなって。

──今回の2曲、偶然かもしれないけど、どこかしらデビュー直前のIKUさんの心境とも重なるような。

IKU:重なりますね。「音のない夜空に」では“やっとメジャー・デビューが決まって、ようやく夜が明けるぞ”って感じですし、「木の芽風」は“いよいよ行くぞ。これから芽(作品)をバンバン出していくぞ”って感じですし(笑)。

──バンバン出そう(笑)。いままさに朝日を浴びながら前へ進もうとしているIKUさん、今後、叶えたい夢は?

IKU:まずはCDを聴いてくれた人に直接会って“どう?”って感想を訊いてみたいですね。あと、この曲を人前で歌ってみたいです、ちゃんと、ピアノに映り込む姿じゃなく、みなさんの顔を直で見ながら(笑)。

●取材・文 増渕公子

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