三寒志恩ムック初春の宴(2)デトロイト編その弐
前回、「その実情については24時間以内にお伝えしたいと思う」なんてことを書いておきながら、すでに丸5日以上の放置状態。どういうことかと言えば、その間に原稿を更新する時間的余裕がないほどにいろいろなことが起こっていたのだ。というわけで、本日からは毎日更新したいと思う。今度は本当だから信じて欲しい。
前回お届けした原稿はあくまでイントロダクションにすぎず、僕がムック一行との合流地点であるミシガン州デトロイトに到着したところで終わっている。到着当夜は地元のアイリッシュ・パブで呑んだくれていたわけだが、翌朝、目が覚めたときに驚かされたのは雪の降り方がさらに激しくなっていたこと。滞在先のホテルから会場のコボ・アリーナまでの移動は、徒歩ならば25分くらい。タクシーならばすぐの距離だが、呼んでもらってもすぐには来そうにない。そこで僕は、ダウンタウンをたったの50セントで一周できるピープル・ムーヴァーというモノレールを使うことにした。で、実際に乗ってみるとこれがかなり便利。デトロイトに観光で出向く人なんてあまり多くはないだろうが、万が一この街を訪れる機会があった場合には是非ご利用をおすすめしたい。
午前11時過ぎにコボ・アリーナに到着し、その裏手に延々と連なっているツアー・バス群を発見すると、そのうちの1台がムック専用車だった。彼らは今回、最高12人まで寝泊りできる大型バスで大陸を移動している。で、幸運にもベッドに空きがあるということで、今夜から数日間、僕もそこの住人となるわけだ。
深いところでは確実に30センチくらい積もっている雪に足をズボズボ突っ込みつつ、差し入れのレトルトカレーなどが詰まった重いトランクを引きずりながらバスに接近し、いよいよ乗車。メンバーたちはきっと驚きの表情で迎えてくれるに違いない……と思っていたら、なんとみんなまだ寝ていた。しかし実は、1時間もしないうちにメンバーのうち2人は地元のハード・ロック・カフェでの懇親イベント参加のため出発することになっている。で、しばらくの間、ツアーの現状や本日の段取りなどをマネージャー氏と話していると、1人、また1人とメンバーがベッドから這い出してきた。ほぼみんな、まだ50%くらい眠りを引きずりながら、車内前方のラウンジ・スペースへとやってくる。そして示し合わせたように、同じような反応を見せる。
「ふわーっ。おはようござい……あ、驚いた。いつ来たんスか?」
とりあえず彼らが日本を離れる2日前に顔を合わせた際、「では、約10日後に」なんて挨拶を交わしていただけに、誰も本気で驚いてはいない。それからほどなくして達瑯とミヤの2人がハード・ロック・カフェへと向かうことになった。そこでは地元のラジオ局主催によるサイン会が催され、この<ROCKSTAR TASTE OF CHAOS 2008>に出演する全バンドから数名ずつのメンバーが出席することになっているのだという。そしてサイン会に参加したファンのうち、抽選で何名かは、出演バンドたちと一緒に同店内のVIPルームみたいな部屋での昼食会に参加することができるという寸法。日本でもこんなの、あったらいいのに。
達瑯とミヤは、各バンドからの出席者やスタッフと共に専用バスに乗り込んで、ハード・ロック・カフェへと移動。同じ車内には、彼らと同様に日本から参戦中のD’espairsRayやThe UNDERNEATHのメンバーたちもいる。さらにはブレット・フォー・マイ・ヴァレンタインの面々も勢揃いしているし、アトレイユのメンバーたちの顔も見える。ヘッドライナーのアヴェンジド・セヴンフォールドだけは、どうやら別の車で移動するようだ。
出発から約10分後、まさにランチタイムのど真ん中に一行は目的地に到着。大勢のファンがすでに行列を作っていて、大きな歓声でバンドたちを迎える。そんななか、いきなりアヴェンジド・セヴンフォールドのシニスター・ゲイツ(g)に遭遇したので、さっそく挨拶することにした。
――あのー、1月に日本でお会いしたんですけど憶えてます?
「ああ、ムックと一緒にインタヴューしたときに会ったんだよね? もちろん憶えてるよ。調子はどう? もしかしてキミは今日来たの?」
――ええ。今日から数日間、このツアーに同行することになっていて。
「クール! 天気のほうはむしろ最悪だけど(笑)。ま、じきに暖かいところにも行くようになるさ」
――そう願いたいもんですね。ところでムックのメンバーたちとは再会しました?
「まだゆっくり話したりはしていないけど、あいつら、ツアー開始早々から毎晩いいライヴをやってるよ。俺たちもちょっと、うかうかしていられないって感じだ(笑)」
ちなみに彼らが来日中に行なった達瑯+ミヤとの対談記事は、現在発売中の『フールズメイト』4月号に掲載中。洋楽専門誌では読めないような奇想天外なやりとりが繰り広げられているので、アヴェンジド・セヴンフォールドのファンにも是非お読みいただきたいところだ。
さて、ハード・ロック・カフェでのあれこれと、その後に筆者がコボ・アリーナで目撃したものについては、また明日。今度こそは公約違反せずに済みそうなので、毎日マメにこのコーナーをチェックすることをおすすめしておく。
増田勇一
▲これがピープル・ムーヴァー。たった50セントでダウンタウンを一周できる。 |
午前11時過ぎにコボ・アリーナに到着し、その裏手に延々と連なっているツアー・バス群を発見すると、そのうちの1台がムック専用車だった。彼らは今回、最高12人まで寝泊りできる大型バスで大陸を移動している。で、幸運にもベッドに空きがあるということで、今夜から数日間、僕もそこの住人となるわけだ。
深いところでは確実に30センチくらい積もっている雪に足をズボズボ突っ込みつつ、差し入れのレトルトカレーなどが詰まった重いトランクを引きずりながらバスに接近し、いよいよ乗車。メンバーたちはきっと驚きの表情で迎えてくれるに違いない……と思っていたら、なんとみんなまだ寝ていた。しかし実は、1時間もしないうちにメンバーのうち2人は地元のハード・ロック・カフェでの懇親イベント参加のため出発することになっている。で、しばらくの間、ツアーの現状や本日の段取りなどをマネージャー氏と話していると、1人、また1人とメンバーがベッドから這い出してきた。ほぼみんな、まだ50%くらい眠りを引きずりながら、車内前方のラウンジ・スペースへとやってくる。そして示し合わせたように、同じような反応を見せる。
「ふわーっ。おはようござい……あ、驚いた。いつ来たんスか?」
とりあえず彼らが日本を離れる2日前に顔を合わせた際、「では、約10日後に」なんて挨拶を交わしていただけに、誰も本気で驚いてはいない。それからほどなくして達瑯とミヤの2人がハード・ロック・カフェへと向かうことになった。そこでは地元のラジオ局主催によるサイン会が催され、この<ROCKSTAR TASTE OF CHAOS 2008>に出演する全バンドから数名ずつのメンバーが出席することになっているのだという。そしてサイン会に参加したファンのうち、抽選で何名かは、出演バンドたちと一緒に同店内のVIPルームみたいな部屋での昼食会に参加することができるという寸法。日本でもこんなの、あったらいいのに。
▲ハード・ロック・カフェ、デトロイト店。写真ではわかりにくいけども、天候は大雪。もちろん店内は熱気ムンムン。 |
出発から約10分後、まさにランチタイムのど真ん中に一行は目的地に到着。大勢のファンがすでに行列を作っていて、大きな歓声でバンドたちを迎える。そんななか、いきなりアヴェンジド・セヴンフォールドのシニスター・ゲイツ(g)に遭遇したので、さっそく挨拶することにした。
――あのー、1月に日本でお会いしたんですけど憶えてます?
「ああ、ムックと一緒にインタヴューしたときに会ったんだよね? もちろん憶えてるよ。調子はどう? もしかしてキミは今日来たの?」
▲ピープル・ムーヴァーの路線図。今夜の会場、コボ・アリーナは地図南端の川沿いにある丸い建物だ。 |
「クール! 天気のほうはむしろ最悪だけど(笑)。ま、じきに暖かいところにも行くようになるさ」
――そう願いたいもんですね。ところでムックのメンバーたちとは再会しました?
「まだゆっくり話したりはしていないけど、あいつら、ツアー開始早々から毎晩いいライヴをやってるよ。俺たちもちょっと、うかうかしていられないって感じだ(笑)」
ちなみに彼らが来日中に行なった達瑯+ミヤとの対談記事は、現在発売中の『フールズメイト』4月号に掲載中。洋楽専門誌では読めないような奇想天外なやりとりが繰り広げられているので、アヴェンジド・セヴンフォールドのファンにも是非お読みいただきたいところだ。
さて、ハード・ロック・カフェでのあれこれと、その後に筆者がコボ・アリーナで目撃したものについては、また明日。今度こそは公約違反せずに済みそうなので、毎日マメにこのコーナーをチェックすることをおすすめしておく。
増田勇一
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